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かんとこうブログ

2021.05.25

都道府県別高齢者ワクチン接種率の不思議

首相官邸ホームページにワクチン接種にコーナーがあり、毎日詳細なデータが更新されていると以前ご紹介したことがあります。今日はその中から見つけた不思議?なデータをご紹介したいと思います。

ワクチン接種のデータをご紹介する前に、都道府県別の高齢者数と高齢者割合をご紹介します。データは下記のサイトから引用していますが、その元データは平成27年の国勢調査です。

http://databasejapan.com/?p=1019

都道府県別の棒に色付けしたのは、赤が緊急事態宣言対象都道府県、黄色が蔓延防止等重点年対象県です。65歳以上の高齢者の人口は、大都市圏が多いのは当然で、今回の緊急事態宣言、もしくは「マンボウ」の対象となっている地域はその多くが上位に位置しています。例外は石川県と沖縄県ですが、これは共通項でくくるとすれば観光地ということになりますが、沖縄県の場合には全国一高齢者率が低いという要因もあります。

高齢化率でみると、高齢者数の場合と逆の様相を呈します。今回の緊急事態宣言とマンボウの対象地域はほとんどが低い方に偏っています。高齢化率の高い地域は別な言葉で言えば過疎化率の高い地域とも言えます。これを踏まえてワクチンの接種数と高齢者全体に対する回数をご覧ください。データは首相官邸ホームページ521日のデータを使用しています。

新型コロナワクチンについて | 首相官邸ホームページ (kantei.go.jp) 

都道府県別の高齢者向けワクチン接種回数(上の図)については、おおざっぱに言えば、高齢者人口に沿っていると言えます。高齢者人口がさほど多くないのにワクチンの接種回数が多いのは山口県、和歌山県が挙げられます。一方で今回の措置対象県でワクチン接種回数が少ないのは、京都府、三重県、岡山県が挙げられます。とここまでは、そう不思議なところはないのですが、これを高齢者人口で割った数値(下の図)は、なんとも不思議な様相を示していることがわかりました。一目瞭然で、今回の緊急事態宣言、マンボウ対象都道府県は、その多くが全国平均よりも低い数字でした。これは不思議な状況ではないでしょうか?

この図を見て最初に思ったことは、本来あるべき姿とは逆ではないかということです。今回の高齢者向けワクチン接種については、与党内からも感染拡大地域ほど早く接種すべきという主張があったと言われます。拡大を食い止めることを優先に考えればまっとうな主張だと思います。現在の状況は、全国一律にワクチン接種をすすめようとする政府の意志によるものと思えてなりません。これまでずっと感染の中心的存在であった東京都も大阪府も下から数えた方が早いというのは、果たしてこれでよいのでしょうか? 

当然政府はこの状況は理解しているはずであり、大規模接種会場の設置はこうした状況の打開策として打ち出されたと思われますが、状況を大きく変えるに十分とは思えません。首相官邸のホームページでは、下グラフの数値は出てきません。このグラフを見れば多くの人が私とおなじように感じるのではないでしょうか?

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