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かんとこうブログ

2021.08.20

Our World in Dataにみるワクチンあれこれ

最近のネット情報を見ているとデータソースとしてOur World in Dataを引用しているものがかなりあります。このブログでも何回か引用させてもらいました。今日はそのOur World in Dataからワクチンに関する情報のうち、あまり普段紹介されないものを引用してご紹介しようと思います。

この図は7月15日時点での各国のワクチン接種率と非接種者の中で、ワクチンを希望している人、迷っている人、希望しない人の割合を示したものです。全体が100ですので、ワクチン接種を受けていない人の中で受けたくない人がどのくらいいるかわかりにくいように思えますが、実はワクチン接種をすでにうけた人というのは、希望して接種をうけているのでしょうから、受けたくないと思っている人は単純に赤い色の部分、すなわち未接種者のうちで希望しない人の割合を見ればよいのです。

赤い部分の割合は、これらの国の中では、日本、韓国、スペインが最低でした。最多はフランスで全体の30%、ついでアメリカの29%となっています。自由を尊重するフランスの面目躍如といったところでしょうが、国民の30%もワクチンを希望しないとなると昨今のデルタ株の前には、集団免疫の形成など難しくなります。個人の自由の前に収束に向けての国民の義務といった側面も考慮する必要があるかもしれません。

この図は各国で使用されているワクチンの内訳を示しています。アメリカはファイザー(Pf)、モデルナ(Mo)、ジョンソン&ジョンソン(JJ)の3種類のみでアストラゼネカ(Az)はありません。つまり自国製のワクチンのみということです。残念ながらイギリスのデータが見当たらなかったのですが、おそらくほとんどAzでしょう。ドイツ・スペインは似通っていてPf,Mo,Azの3種類。韓国も同じ3種類ですが、Azの比率が高いのが特徴です。チリはこの中では異色で中国製のシノバック(Cv)が最多となっています。これらのワクチンの内訳はその国のワクチン争奪戦における戦績を物語っているように思えます。

この図もあまり見かけない図だと思います。各大陸別、貧富別のワクチン接種数の推移です。もともとの人口比がどのくらいかわかりませんが、グラフを見る限り、トリクルダウン(あふれおちる現象、転じて富裕層の使ったお金が回りまわって貧困層に巡っていく様子を表すときに使用される言葉)のごとく、富裕国から貧困国へだんだんと浸透していくように思えます。3回目のブースター接種をめぐって、WHOが3回目を打つよりはまだ1回も打っていない人に回すべきという主張をしている背景にはこのような現実があります。

最後に毎日のワクチン接種数の推移について、これは他のサイトでも見れますが、一定の人口あたりではなく接種の実数の推移です。とにかくけた違いに多いのが中国、次いでインド。これは人口の絶対数が多いからです。日本はというと接種数の実数ではすでにアメリカや欧米を上回っています。欧米は毎日の接種数が明らかに減少傾向です。これは、接種率が高まるほど頭打ちになるというだけでなく、上で見たように接種を希望しない人たちの割合が多いことも原因ではないかと思っています。日本も最初で遅れていましたが、あとで頑張ってワクチン接種を実施し絶対数では追いついていることだけは認めたいと思います。

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