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かんとこうブログ

2021.08.25

東京都新規感染者数減少の兆し?

昨日、東京都の感染者数が2日間連続で前の週を下回ったと報道されました。果たしてこれは感染者数減少の兆しなのかどうか数字を眺めて考えました。

いつものように直近30日間の東京都の新規感染者数の推移(7日間の移動平均)から計算するとどうやら感染者数がピークを迎えており、今後減少していくであろうとの近似線が得られました。(下の左の図)しかしながら直近30日ではなく直近45日の新規感染者数から計算すると、全く異なる結果となりピークアウトするのは1年以上も先となりました。(下の右図)

この両者の近似式から計算すると直近30日のデータの近似の場合には、今から2週間後が約3600人、1か月後が約650人となりますが、直近45日のデータですと、今から2週間後が約6600人、1か月後が約8100人となります。あまりの差異に驚きますが、それよりも直近45日のデータから得られる近似式ではとんでもない感染者数になってしまうことの恐怖の方に気を取られます。改めて現在の新規感染者数の多さと今すぐに減少に向かわせることの重要性が認識されます。 

重症者数とPCR検査の陽性率についても同様に直近30日のデータで近似式を計算してみました。重傷者数(下の左の図)については、この1週間ほど頭打ちとなっていますが、これは入院キャパシティとの関係でそうなっているにすぎず、おそらく実際には直近1週間でも増加し続けているに違いないのですが、そんな条件での重傷者数の数値を使って計算してもピークアウトは1年以上も先という数字がでてきました。改めて現在の厳しい状態に驚きます。

一方PCR陽性率も高止まりしており実際の新規感染者数が低めにしか見積もられていないのではないかという指摘があります(上の右の図)。確かに昨年の第1次緊急事態宣言の折には、PCRの陽性率が7%以上であると検査自体が不十分であるという指摘がされていました。そこから考えると20%を超えるPCR検査陽性率では、十分な新規感染者検出ができていない可能性は高いと言えます。実際に直近30日間の陽性率の推移をみると、ようやく2週間ほど前にピークアウトしたかに見えますが、まだ陽性率は20%付近にある状態が続いていることから、新規感染者の検出が不十分という可能性は認めざるを得ません。

以上の議論はあくまで単純に数学的な処理をすればこうなるというだけの議論に過ぎません。事態が好転するという医学的・疫学的な根拠はありません。ただ、好転してほしいという願いだけはありません。単なる期待に過ぎませんが、今日の東京都の新規感染者数の発表も3日連続で前の週を下回ることを期待してやみません。

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