かんとこうブログ
2021.11.02
南欧横断!電光石火
この週末にまたもや日本ペイントHDからヨーロッパにおける企業買収の発表がありました。今度は東欧のスロベニア、クロアチア、セルビア、ボスニア・ヘルツエゴビナに活動拠点を有するDP JUB delniška družba pooblaščenka d.d.という会社です。この買収の詳細は下記をご覧ください。
https://www.nipponpaint-holdings.com/news_release/20211029ir01/
DP JUB delniška družba pooblaščenka d.d. は持株会社であり、事業主体はDol pri Ljubljani 28, 1262 Dol pri Ljubljani, Sloveniaという会社で、所在地はスロベニアにあります。後者の2020年の売上は、約151億円、税引き前利益が17億円、建築用塗料を主体とする塗料と塗料周辺事業としての断熱材の製造・販売を行っている会社です。今回の買収も実働はDulux Groupの子会社であるイギリスのDGL International (UK) Ltdでした。
このニュースを聞いて即座に思ったのは、「これで南ヨーロッパはほぼ横断」ということでした。下の地図をご覧ください。
ご覧のように今回の買収で東欧を加えたことにより、南ヨーロッパにおいて最西端のポルトガルからアジアの入り口のトルコまでほぼ横断的に活動領域が拡大したことが見て取れると思います。今後それぞれの会社の活動において相乗効果を出しやすい地理的条件を満足しているように思われます。それに加えて、今回の会社も建築塗料主体でありながら塗料以外の断熱材の事業があり、これはトルコのBetek Boyaの断熱材事業とも通じます。
今回の買収も、地理的条件のみならず、事業領域に関しても周到に考えられたものであると思われます。矢継ぎ早の事業展開のみならず、その周到さにも驚かされます。