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かんとこうブログ

2021.12.14

35年11か月ぶりの水準!・・企業物価指数

先週発表された11月の企業物価速報値が3511か月振りの水準と報じられました。読売新聞オンラインから引用させてもらいます。

https://www.yomiuri.co.jp/economy/20211210-OYT1T50129/

日本銀行が10日発表した11月の国内企業物価指数(2015年平均=100、速報値)は108.7と、前年同月より9.0%上昇した。伸び率は、比較可能な19811月以降で最大だった。原油など原材料価格の上昇や円安・ドル高の進行が主な要因で、前年同月比プラスは9か月連続となった。 企業物価指数は、企業同士が売買するモノの価格動向を示す。指数の水準も、198512月以来、3511か月ぶりの高さとなった。

石油・石炭製品」の上昇率が前年同月比49.3%に達したほか、米国を中心に住宅需要が高まって木材価格が高騰した「ウッドショック」の余波で「木材・木製品」が58.9%伸びた。非鉄金属も32.8%上昇し、鉄鋼は23.9%伸びた。(中略)一方、総務省が11月に発表した10月の消費者物価指数は、生鮮食品を除く総合が前年同月比0.1%増と横ばいが続く。コロナ禍で消費が低迷する中、値上げに踏み切れば売り上げの減少も懸念されることから、原材料価格の上昇分を転嫁できない企業が多いとみられる。

大変よくまとまっているのでこれ以上の解説は不要と思いますが、おおもとの日本銀行統計局の報告書にはもう少し詳しい数値が載っているのでそちらも紹介したいと思います。

https://www.boj.or.jp/statistics/pi/cgpi_release/cgpi2111.pdf

まず企業物価の推移です。

グラフはいずれも2013年から2021年までの期間の推移を表していますが、2020年後半から急激な上り調子であることが明白です。前月比でみてもほとんどがプラスであり、企業間取引物価が上昇を継続していることがわかります。

黄色部分は、塗料メーカーにとって購入先となりそうな部門、青色部分は、ユーザーとなりそうな部門です。この中では、やはり輸入の石油・石炭・ガスの突出した上昇ぶりで、塗料業界にとっては、原材料とエネルギーの二つの面から深刻な影響がありそうです。

最後に、各分類別の11月の速報値(2015年=100)の数値を示します。スクラップ類、木材あたりの数値がとんでもないことになっています。石油・石炭、鉄鋼、非鉄金属も130台と高水準で、産業の基幹資材がすべからく高騰している印象をうけます。緑棒は、購入先関連、青棒はユーザー関連です。

一方上で紹介したように、消費者物価指数は上昇しておらず、企業が原料高を価格転嫁できていないようであるということでしたが、このグラフをみても、全般に素原料の方が加工品よりも高騰が激しいようで、価格転嫁にはタイムラグが生じているのではないかと思われます。

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