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かんとこうブログ

2021.12.23

ケルセチンゴールド、その正体はケルセチン配糖体

最近テレビでサントリーの「特茶」のコマーシャルが流れ、「ケルセチンゴールド」という名前が連呼されるため、この名前が頭の中に残ってしまいました。気になって調べてみると結構興味をそそる内容だったので、今日はこのケルセチンゴールド、正式にはケルセチン配糖体についてご紹介します。

このケルセチンゴールドは、金色に見えるためそのように呼ばれていますが、正式名称はケルセチン配糖体というよです。ポリフェノールの仲間でフラボノイド骨格を持っています。フラボノイドと言えばこれまで何回もご紹介してきた植物の色素アントシアニンもフラボノイドの仲間です。

このケルセチンですが、さまざまな野菜や果物に含まれており、体脂肪の分解促進 悪玉コレステロールの低下 体内における易分解・易吸収 といった優れた効能があります。

しかしながら、このすぐれもののケルセチンですが、脂溶性が高く経口摂取したときの吸収性が高くありません。そこで、経口摂取時の吸収性を高めるために、ケルセチンにグルコースを結合させたケルセチン配糖体の研究が行われていました。下の内容は日経メディカル2005年の記事で、サントリーがケルセチン配糖体の研究を行い、体内吸収率を著しく高めたことを紹介しています。

この配糖体ですが、ケルセチンには5か所のOHがありますが、グルコースが結合するサイトは3か所のようで配糖体の種類としては、6種類になるようです。(下の右図)このうち3の位置にグルコースがβ-グルコシド結合したものがイソクエルシトリンです(下の左下図)。上の記事にもこのあとの体脂肪の効果に関する治験にも登場する名前ですので、マークしておいてください。

話は横道にそれますが、わざわざβ-グルコシド結合と書きましたが、グルコースどうしの結合がαβかで大違いであるからです。グルコースがα-グルコシド結合でつながったものがセルロースで、β-グルコシド結合でつながったものがでんぷんになります。人間にとってセルロースは消化不可能、でんぷんは消化可能です。たかだか結合の仕方が違うだけで大きな差があるのです。

話をケルセチン配糖体の体脂肪分解促進効果にもどします。サントリーのサイトには子の効果について下図の内容が紹介されていました。

194名を2群にわけ、1群にはケルセチン配糖体(イソクエルシトリンに換算して110mg)入りの緑茶飲料を、もう1群にはケルセチン配糖体の含まれない緑茶飲料を毎日112週間のませたところ、両者の腹部全脂肪面積変化量に有意差が見られたという結果です。ケルセチン配糖体を含む緑茶を飲んだグループでは、8週間目から体脂肪低減が認められたということでした。

このケルセチン配糖体は、体内で吸収された後代謝されケルセチン抱合体となり、脂肪分解酵素(ホルモン感受性リパーゼ)を活性化し、脂肪を脂肪酸とグリセリンに分解する過程を促進します。

実はこのケルセチン配糖体は、体脂肪減少以外にも健康増進に繋がる効果が認められています。同じくサントリーのサイトからご紹介します。

ケルセチンの抗酸化作用が筋肉を守り、筋肉量の減少を抑制するというのです。サントリーのサイトには、血圧低下作用や抗ガン作用なども書かれていますので、まさに「医者いらず」の効能が期待できるようです。

医学的な効能ではありませんが、ケルセチン配糖体は色も美しく、金色を呈するためケルセチンゴールドと呼ばれているようです。アントシアニンといいケルセチンといい、ポリフェノール類は多くの効能を有する天からの恵みと言えそうです。

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