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かんとこうブログ

2022.02.28

上場12社の2022年3月期第3四半期決算状況

2月の10日前後に上場塗料製造会社の第3四半期決算が発表になっています。今日はこの決算状況についてご紹介したいと思います。データ元は各社の決算短信ですが、一部の数字については決算短信において記載のなかったものを手元の数字から計算して記入したものもあります。実際とそぐわないというご指摘の受ける可能性もあることをお断りしておきます。また、日本ペイントにつきましては、すでに本ブログでご紹介していることと、決算期が本日ご紹介する会社とは異なることから今回のご紹介の中には入れておりません。

昨年の第3四半期(下表)と比較するとずいぶんと変わりました。昨年は全体的に前年比マイナスを示す赤い数字が並んでいましたが、今年はそれが少なくなりました。ただし、中にまだ赤い数字が残っていることも確かです。

今四半期の売上実績%および20223月期予想値の前年比%を下図に示します。

こうしてグラフにして今年度の第3四半期までの業績をみると、前年度と比較して、前年の巣ごもり需要の反動で減少した家庭用、部品不足で回復が思うようにならない自動車用、このところずっと需要が低迷している船舶・構造物 などの需要分野が各社の売上に占める割合が影響しているように思われます。そしてこの傾向は20223月期の決算予想にも反映されているようです。(下図)

一方で、前年比計算の基準となる20213月期第3四半期(20204-12月)の数値は、大きな需要ダウンを記録した同期第2四半期(20207-9月)の成績を含んだ累積値であり、今期における前年比が平年比を表わしているとは考えにくいとも言えます。そこで20203月期第3四半期(2019年度)との比較、すなわち前々年比を計算してみることにしました。

前々年比でみると、2019年度レベルにはまだ回復していない会社が多いことがわかります。日本の産業自体が2019年度レベルには回復していない状況では、無理もないことかと思われます。

最後に今第3四半期時点の累積売上と営業利益の前年比について、各社のポジションを表に整理してみました。

それぞれの会社の位置は、上で述べたその会社が得意とする需要分野の動向によって大方は説明ができるようにも思えます。また明確には見えていませんが、営業利益に対しては原油高騰や供給網の逼迫などによる影響も関係しているはずです。改めて、感染の収束と経済の回復、加えてウクライナ問題の解決を祈ります。

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