お電話でのお問合せはこちら
TEL:03-3443-4011

かんとこうブログ

2022.04.19

ニュートンはなぜ虹を7色と決めたのか?

今朝のニュースでロシア軍がウクライナのほぼ全域で侵攻を再開したと報じていました。ウクライナ市民の犠牲者がこれ以上出ないことを強く祈りたいと思います。4月に入ってもなかなか明るいニュースであふれかえるような状況にはなりませんが、今日は軽い話題を提供します。肩の力をぬいて一息ついてもらえればと思っています。

虹は7色・・日本人なら100人に聞いて100人がそう答えると思います。しかしこれは世界の常識ではありません。虹の色の数え方は世界中で異なっています。一例を下に示します。

ウエザーニュースのサイトより引用 https://weathernews.jp/s/topics/201807/240205/

これはもちろん、見え方が世界各地で異なっているわけではなく、色の数え方の問題とされています。つまり実際に見える虹には色ごとに明確な境界線があるわけでなく、色と色の境界線は連続的に変化しているため数え方には差がでるということです。虹は空気中の水滴がプリズムとなり太陽光中の可視光線を分光している現象ですが、可視光線の分光スペクトルは下図のように連続して色が変化していきます。

この分光スペクトルを見て何色とするかは意見が分かれても無理はありません。

前置きが長くなりましたが、ここでニュートンの登場です。プリズムを使って分光スペクトルを発見したのがニュートンであることは広く知られていますが、虹が7色であると決めたのもニュートンであると言われています。ではなぜニュートンは、この虹を7色と決めたのでしょうか?

虹の7色と音楽との関係については、いろいろなサイトで様々に説明されています。代表としてCanon のサイトから引用します。(文・図とも)

https://global.canon/ja/technology/kids/mystery/m_04_09.html

ニュートンが虹を「7色」としたのは音楽と関係づけて、各色の帯の幅が、音楽の音階の間の高さに対応していると結論するためでした。なぜ音楽と関係づけさせたかったのかというと、ニュートンの時代の300年前のヨーロッパでは、音楽が学問のひとつで、音楽と自然現象を結び付けることが大事なことと考えられていたからです。たぶん、そうすることが当時はかっこよく感じられたのでしょう。

一般的にはこうした説明がされていますが、もう一歩踏み込んだ説明を見つけました。そこには単に音楽への関連付けに留まらず、宗教の影響によるものとの意見がありました。東京工芸大学芸術学部写真学科 非常勤講師 村上彰氏の書かれた「世界の虹の色と色文化との関連2012.01.24という資料から引用させてもらいます。

「虹が7色であるという概念が定着したのは、1666年にアイザック・ニュートンがプリズムの実験によって発見したとされたことによる。このとき色彩論的にみて重要な分光スペクトルという概念が生まれた。その分光スペクトルを見るとニュートンでさえ藍と紫に識別が難しかったようである。では、何故6色として扱わず7色としたかというと、当時の宗教の影響が強く反映されたからである。つまり、音楽と色のアナロジーによってその共通性を見出していたのである。音階の7音を当て嵌めると色の7色が釣り合い、ある種のハーモニーを奏でるのである。ニュートンも音階と色(色相環)との関係付けを行っており、音階がオクターブで調和がとれているように、色もオクターブ(赤と紫が繋がっていること)で成り立っていることを発見している。

神の啓示を受ける情景を、荘厳な音楽で表現したと同じように、7色で彩られる神の誕生を表す絵画が絵の具やペイントなどの色材で表現されたことに起因する。

音楽との共通性については上のCanonの説明と同じですが、加えて宗教画に使用される色数との類似性を指摘し、その7色とした理由は宗教の影響であると考察しています。事の真偽は確かめようがありませんが、ニュートンほどの大科学者であっても、自説を社会に受け入れてもらいたいと願う気持ちがあったことに人間性を感じます。 

コメント

コメントフォーム

To top