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かんとこうブログ

2022.07.26

コロナ感染症の後遺症についてのささやかな情報

 

第7波の感染者は依然急増しています。医療の逼迫も報道されていますが、それでも町を歩く人たちからは差し迫った緊迫感というものが感じられません。今日はコロナ感染症の後遺症について調べたことをご紹介したいと思います。ですが、調べてみても悲しくなるほど、情報が少なく今年に入って発表されている資料は限られていました。私の探し方がわるいのかもしれませんが、とにかく分かったことを下に紹介します。

最初は東京都福祉保健局のサイト(下記URL)からの情報です。

https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/kansen/corona_portal/link/kouisyou.html

冒頭、海外情報による後遺症発現者のサマリーが紹介されており、感染後しばらく経過しても、何らかの症状を訴える人が半数以上であるとしています。調査の母数が多いのでこれは信頼できる数字であると思われます。

このあと東京都の独自調査結果が紹介されていますが、注目されるのはデルタ株以前とオミクロン株にわけて結果が示されている点です。調査対象者はデルタ株以前が約4000人、オミクロン株が約2000人でした。

これら感染者の年齢構成、既往症はほとんど同じです。差異はオミクロン株の場合には重症者の割合が少ないことです。以下の図が「都立病院に設置した「コロナ後遺症相談窓口」に寄せられたこれまでの相談データです。年齢や既往症(基礎疾患)の有無、コロナ発症時の重症度、変異株(オミクロン株等)に関わらず、相談が寄せられており、若い世代や基礎疾患のない方も後遺症と無縁ではなく、コロナに罹患した全ての方に起こる可能性があります。」(「」文章は上記サイトより内引用)

この後遺症の内訳をみるとデルタ株以前とオミクロン株との間で差があることがわかります。

デルタ株に比べオミクロン株の方が訴える人が多い症状は咳嗽(せき、くしゃみ)、倦怠感であり、デルタ株以前よりオミクロン株の方が訴える人が少ないのは味覚障害、嗅覚障害、脱毛といった症状になります。

これらのデータはあくまで都の相談窓口に寄せられた件数の集計なので、感染者全体に対して後遺症を訴える人の割合がデルタ株以前とオミクロン株でどう違うのかはわかりません。以上が東京都のデータです。もうひとつご紹介するのは、NHKクローズアップ現代の番組内容を紹介したサイト(下記URL)

からのデータです。テレビ画面のコピーとその時のやりとりをそのまま引用してご紹介します。

https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4672/

この図はヒラハタクリニックに通う後遺症患者の症状の内訳です。さきほどの相談データよりも症状を訴える患者の割合が高くなっていること、思考力の低下が2番目に来ているところが上記の相談データとは違う点です。しかし、患者数は約4000であり統計上の母集団の大きさでは相談件数に引けをとりません。

そして後遺症の症状のレベルはかなり重篤であるケースが多く、全体の3分の1以上が通常の生活を送ることが難しくなるレベルを超えており、休職や退職に至る人も少なくないとのことです。

さらに後遺症の長期化も深刻であり、後遺症が1年以上継続している患者が2割弱、2年以上継続している患者が2%強いると紹介されています。

こうした後遺症の長期化について気になるデータも紹介されていました。

要するにオミクロン株の場合、私たちの体内でウイルスを排除してくれるT細胞の働きが十分でなく、ウイルスのかけらが残り続け、さまざまな病状を引き起こすのではないかということです。これまでデルタ株などに比べ重症化しにくいと言われ、感染者が多くても軽く見られがちなオミクロン株ですが、意外に手ごわい変異株なのかもしれません。

統計的に必ずしもすべての条件がそろっているわけではないにしても、そして最新のBA.5のデータはまだないにしても、感染した場合の後遺症を恐れる必要があることは理解していただけたと思います。

政府は国民の行動を制限する意志はないようです。感染防止は自らの行動に委ねられていることになります。感染してもたいしたことはないとは努々(ゆめゆめ)考えず、自らを守る行動を続けるしかありません。

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