かんとこうブログ
2022.08.09
Coatings World誌の2022年世界ランキング その2
今日は昨日に引き続き、Coatings World誌のランキングについてのご紹介を続けます。
ランキング全体に関する動向について説明していきます。
今回はランキングした会社が6社減りましたが、この10年余りをみても、ランキング入りの会社数は減少傾向です。全世界トータルの売り上げは伸びているのに、ランキングする会社が減少するという不思議な傾向が続いています。
一方、TOP30社の売上合計に対し、1-3位、4-10位、11-20位、21-30位の会社の売上合計がどれほどの比率になるかということですが、1-3位の合計が1-30位までの合計の40%強を、また1-3位と4-10位の合計(すなわち1-10位の合計)が約80%を占めます。この割合は、この10年余りの間でさほど変化していません。
1-10位の会社の売上合計についてさらに言えば、1-10位の合計は、ランキング入りした75社全部の合計の約89%にあたります。さらにこの75社の合計は世界の全需要の6割程度と推定できます。つまり1-10位の合計は、塗料の全世界の需要の約53%にあたることになります。恐ろしいほど寡占化が進んでいるということになります。そしてこの傾向はさらに進むであろうと考えています。
さらに1位、10位、20位、30位の会社の売上推移を示します。
このように、、買収が頻繁に行われていることの影響は、ここ10年余りを見ても全体の塗料需要の伸びに反してランキング入りする会社数が減少するなどさまざまな指標に現れています。概算ではありますが、1-10位の会社の売上合計が、全世界の5割を超えているかもしれないということもわかりました。
世界のTOP企業にとって、戦略的な買収は経営における最重要事項のひとつになっています。新興国の需要がまだまだ伸びていくこと、SDGsなどにより環境圧力がさらに強まること等々を勘案すれば、寡占化傾向はますます強まるものと思われます。