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かんとこうブログ

2022.08.08

Coatings World誌の2022年世界ランキング その1

 

Coatings World誌が毎年この時期に発表している世界の塗料メーカーのランキングがようやく発表になりました。例年7月初めであったのが、昨年は7月下旬、今年は8月初旬と遅れるようになりました。2022年のランキングは2021年度の売上金額(US$換算)のランキングです。売上高が1億US$以上の会社がリストアップされますが、今回は75社にとどまり前年から6社減りました。

まずは、世界のTOP30社のご紹介から始めましょう。

今回は、前年の1位と2位が入れ替わりました。会社全体の売上では圧倒的にSherwin Williams社が多いのですが、同社が塗装用具等もかなりの量を販売しており、その分を全体から差し引くという操作がCoatings World社で行われるため、今回はPPGがTOPにランクされました。ちなみに、Sherwin Williams社の売上に占める塗料の割合を計算してみると、2020年度が79.0%であったのに対し、2021年度は69.7%でした、つまり塗料以外の売上比率が10%増えたことになります。一方PPGの方は全額が塗料の売上としてカウントされています。TOP30社について前年からの順位の変動、売上金額の増減を示しまます。

TOP30社の順位に関する前回からの変化についてですが、まず1位と2位が入れ替わりましたが、TOP10の中でのそれ以外の変化はAxaltaとMascoが一つずつ、Asian Paintが2つ順位を上げたことおよび、関西ペイントが4つ順位を下げたことです。

TOP30まで広げて見ると、大幅に順位を上げた会社が2つあります。SK SHUとSamhaです。詳細は解説でも読まないとわかりませんが、これまでの経験上、中国をはじめとするアジアの会社については、ほとんど突っ込んだ取材がないので、この両者の大躍進の理由は不明のままになると思います。

売上の増減については、単なる売上自体の増減に加え為替変動の要因が考えられます。このランキングでは、アメリカ以外に本社を置く企業の場合、当該会計年度末日の為替レートにより米ドル相当額を計算することになっています。後述するように日本企業の場合には多くは3月末が会計年度末日ですので、多少為替の影響をうけました。

なお次の表は、初めてランキング入りした会社とランキングから消えた会社です。

初めてランキング入りした会社は、同誌ではFirst Timerと呼ばれており、今回はインドネシアのAvia Avianだけでした。私はインドネシアに駐在していたのでこの会社をよく知っておりますが、この会社は多角的に事業を行っているAvianグループが新しく起こした会社であり、他の塗料会社との関係はありません。テレビコマーシャルを積極的に使い短期間で市場に一定の地位を占めました。現在はAkzoNobel、日本ペイントについでインドネシアの建築塗料の3番手となっています。

一方で消えた会社は7社あります。前回18位のAce Paint、前回21位のCromology、前回25位のTikkurila、前回42位のShanghai HFC、前回49位のKarworwag、前回56位のPintuco、前回75位のIndustria Titanの7社です。このうち5社はPPG、AkzoNobel、日本ペイントによって買収されました。残るAce PaintとShanghai HFCは不明です。Ace Paintは世界中でDIYを展開するACEグループの塗料を提供している会社ですが、時々消えたり現れたりしていますので、Coatings World社の扱い次第ということになるのでしょう。

次にランキング入りした日本企業をご紹介します。TOP30とは重複しますが、一覧表を作成しました。

日本企業は昨年同様14社がランク入りしました。おそらくランキング入りした会社の数では世界一であると思われます。また、日本の株式市場情報からは得ることのできない武蔵塗料(HD)、オリジン、トーペの売上情報が含まれています。オリジンは売上と順位を前回から大きく落としましたが、むしろ前回が異常値であり、本来の位置に戻ったという解釈をしています。あとの会社は概ねそれなりの位置にあるのではないでしょうか? また自動車産業の停滞を反映してか、自動車用比率の高い会社の売上減が多いように思われます。

為替の影響ですが、実は2022年3月31日末のレートは、1$=121.66円と思ったほどでもありません。日本ペイントに適用される2021年12月31日では1$=115.08円では、為替による$建て売上の縮小はほとんどなかったと思われます。

この表中の2021売上億円は国内で各社から発表された2021年度の売上金額です。これを当該レートで換算したのがその右蘭の数字です。もう一つ右のCW誌と書いた欄の数字がCoatings World社の発表数値なのですが、実は会社によってはこれらが一致しません。具体的には日本ペイント、関西ペイントでは、日本の公表値よりもCoatings World誌の数字が小さく、中国塗料は逆にCoatings World誌の数字が大きくなっています。これら3社に共通するのは海外の売上比率が高い会社であるということですが、数字が一致しない理由は不明です。

明日は、ランキング全体における傾向などについてご紹介する予定です。

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