かんとこうブログ
2022.12.13
ナフサ価格は依然高止まり 11月の企業物価指数
日銀の企業物価指数2022年11月分が発表になっています。ひところに比べると高騰は一段落とも言えますが、まだまだ高止まりというところです。継続してご紹介してきている2020年基準の指数について、ここ2年弱の推移をご覧ください。
左上は総平均と化学製品の平均ですが、いずれもこの2年ほどで18%強の上昇となっています。これが世の中全体の平均とも言えるかもしれません。右上は、企業物価としての塗料、合成樹脂塗料、シンナーです。先ほどの総平均から見るとシンナーは平均の倍近く上昇していますが、合成樹脂塗料と塗料は平均の6~7割程度の価格上昇に留まっています。
塗料原料にも使用される合成樹脂についてはアクリル樹脂、熱硬化樹脂が平均以上の価格上昇でまだ継続上昇中です。こうした加工品は、ナフサの値動きから少し遅れて価格が動くようで、まだ上昇傾向継続中です。ポリアミドだけはなぜか価格の上昇が少なく、18L缶についても指数は低い水準のままです。
銅、鉛/亜鉛、アルミの非鉄金属は塗料原料のそのまた原料として用いられるものですが、ここへきて再び上昇傾向にあります。一方で合成染料/有機顔料と無機顔料の価格はピークを越えて下降傾向にあります。全般にここに挙げた無機物は、全物価の総平均に比べて価格の上昇幅が大きくなっています。
最後に石油系原料とその原料であるナフサおよび石油製品です。ナフサに比べガソリンの価格が抑えられているのは補助金の影響が大きいものと思います。ナフサ価格は少し下がりましたが、まだまだ指数値は200を超えており高止まり状態です。キシレン、スチレンも下がってきたとはいえ、まだまだ指数値が200を超えています。
このところ為替が円高方向に多少戻った影響もあり。ナフサ価格が少し落ちついてきていますが、まだまだ高い水準に留まっています。企業物価の総平均も化学製品の平均もまだ上昇傾向が続いています。全般的に落ち浮くまではまだ時間がかかりそうです。