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かんとこうブログ

2023.01.11

第8波最近の動向・・このまま何も対策をしなくてよいのか?

お正月休みあけに新規感染者がどっと増えた印象がありますが、この第8波の感染状況ですが、お正月を挟んでどのようになっているのか調べてみました。まずは新規感染者数と実効再生産数の推移です。いつものように東洋経済オンラインのコロナ特設サイトからグラフを引用させてもらいました。

新型コロナウイルス 国内感染の状況 | コロナウイルスの恐怖 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース (toyokeizai.net)

検査陽性者数を淡々と見ると、ほぼ1週間の正月休み前後の陽性者の関係から、これまでのゆったりとして上昇ペースが維持されていると見れとれます。お正月休みあけの増加もこれまでの増加ぺースの延長線であると思われます。

実効再生産数についても同様で、お正月休みの最後の方で0.9を下回るほどに低下していましたが、以降再上昇して1月10日時点で1.07という数値です。これは11月12月と比べると大きな数値ではありますが、おどろくような数字ではありません。新規陽性者の動向から見て再度低下すると思われますので、これも感染傾向はこれまでの延長線上にあることを示していると言ってよいものと思われます。

一方で年末年始の状況を過去のピーク時と比較した場合にどのようになっているのか気になるところですが、新規陽性者数、重症者数、死亡者数のは下図のような関係にあります。それぞれのピークの日付は下表のようになります。

新規感染者数は、第7波の最大数にますます近づきつつあります。重症者数は年始に第7波のピークを超えました。死亡者数はすでに年末から過去の最高を更新し続けています。第8波の場合には感染者の増加が緩やかであるため、強烈な印象が残りませんが、すでに第7波に近い新規感染者数、第7波を超える重症者数、過去最高の死亡者数を記録しているのです。

それでは医療の逼迫はどうなっているのでしょうか?この数値だけは厚生労働省のデータ(下記リンク先)しかありませんので、最新データが発表されるのを年末から待っていました。というのも厚労省は12月28日現在の病床使用率のデータを1月10日に発表するとしていたからです。昨日は朝からこのデータ発表を待っていたのですが、実際に発表されたのは夜になってからでした。正月休みをはさんでいるとは言え、このように大事なデータの発表を2週間も遅らせてよいのかと思います。

療養状況等及び入院患者受入病床数等に関する調査について|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

左側が入院者数全体数とその病床使用率、右側が重症者病床入院者数とその病床使用率でした。入院者数は第7波ピークに極めて近いところまできており、従って病床使用率も過去のピーク時に近いところまで来ています。数値上はまだ病床に余裕があるように見えますが、過去のピーク時には入院者の搬送問題がおきるほど医療が逼迫したことを思えば、現在はすでに医療逼迫の危機にあると言っても良いのではないかと思います。

重症者用病床については一般病床にくらべ少し余裕があるように見られます。

こうして見てくると第8波の感染状況は過去のピーク並みに厳しい状況であることがわかりません。なによりも死亡者が過去最高値となっていることについてはもっと警戒感を持つ必要があります。政府や自治体はここに至っても行動制限を課すような動きが一切ありません。現在の感染状況はすでに憂慮すべき状況にあると思われます。国民の日常に行動制限を課さないとしても、今の状況が憂慮すべき状態であることを国民に認識させることは必要なのではないでしょうか?異次元のコロナ対策を期待したいものです。

追記:このブログを書いたあとかなりの数のテレビのニュースをみました。さすがに、医療の逼迫、搬送問題、高齢者施設の困窮などはちゃんと伝えられていました。しかし、行政側の対応については何もありませんでした。さらに有識者によるアドバイザリーボードの座長のインタビューでは「お正月休みで少し減少していた感染者数が、再び以前の上昇カーブに戻ってきた」というコメントを聴いて驚きました。そんなことは専門家でなくてもデータを見た人はすぐにわかるわけで、聞きたいことはこれからどうするのか?ということです。そもそもアドバイザリーボードというのは、医療の逼迫や搬送不能状態をどう解決していくのかということを話し合う会議ではなかったのか?首相外遊中というのもあるかもしれませんが、厳しくなる感染者対応をすべて現場の人たちに押し付けているだけのような気がしてなりません。

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