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かんとこうブログ

2023.01.31

PPGの2022第4四半期と通年決算の概要

今日は昨日に引き続きTOP3の一角、PPGの2022年第4四半期と通年の決算概要についてご紹介します。下表の概要を示します。

第4四半期についてみると。全体ではわずかに減収となりました。これはPerformance部門(PPGの場合は非工業用≒汎用)の販売が前年を下回ったことが影響していますが、利益面では全社的にこれまでよりも改善が進んで大幅増益となっています。

一方で通年では、結局のところ全社、各部門とも一桁の増収と一桁の減益に留まりました。2022年前半の大幅減益から見るとよく立て直したと思われます。各四半期ごとの全社および部門の売上、EBITDAを下表に示します。

全社と両部門とも傾向は同じで2022年の前半は増収大幅減益だったのが、次第に売上増加幅が減少し、利益が改善されて行きました。この変化が最も大きかったのがIndustrial部門であり、ドラスティックな動きになりました。下図に全社/各部門の四半期ごとの売上、利益の推移を示します。

このような推移となった要因については、上表の売上への要因別の寄与から推測するしかないのですが、下図を見ながら考察してみることにします。

数量と為替は一貫して前年比マイナスでした。製品価格については一貫して前年比二けた%増を記録していました。途中で変化したのがM&Aによる効果ですが、第4四半期についてはここにロシア要因も含めると脚注がありました。ともあれ、M&Aは2022年第1四半期では+7%の寄与がありましたが、第3、第4四半期ではマイナスに沈みました。

しかしこれだけでは、売上/利益の年間での大きな変化を説明できません。想像するに原料事情が大きな影響を与えているものと思われます。下図に示した第4四半期のハイライトにも原料は高止まりしており、原料価格の一桁の低い方(1-3%程度)に収まったと書かれています。

上表の右側に2023年第1四半期の予測を載せています。ある程度景気の減速もうかがえますが、第1四半期においてはそれほどでもないように感じ取れます。各分野別の2022年第4四半期の売上実績、2023年第1四半期の売上予測を下表に示します。2023年第1四半期の予測においても売上が前年比減を予測している分野はありませんでした。

AkzoNobelと日本ペイントホールディングスについては2月の発表後にご紹介したいと思います。

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