かんとこうブログ
2023.03.31
全体としては好調・・2月の自動車生産
昨日自動車8社から2023年2月の生産台数が発表されました。新聞等の見出しは以下のようであり、全般に復調している状況にあります。今日は例月のように各メーカーの自動車生産台数の推移等についてご紹介します。
上記の見出しを要約すると、2月の自動車8社の生産状況は、「国内生産では8社中5社が前年同月を全体として6.9%上回り、世界生産台数も8か月ぶりに前年を上回った。」ということになるでしょうか?
各社の国内と世界の生産台数の前年同月比と前々年同月比は下図のようになります。
左図の前年同月比では、国内生産においてはホンダ、スズキ、ダイハツの3社以外が前年を上回り、世界生産でもスズキとダイハツ以外が前年を上回りました。軽自動車主体のスズキとダイハツはこれまで他メーカーに比べて比較的好調を続けてきましたがここへきて一休みといった感じです。全体としてはここ半年の中では好調を感じる前年比となっています。
一方で右図の前々年同月比では、国内生産で4社が世界生産で2社が前々年同月を下回っており、特に国内生産の前々年比は前年比よりも精彩を欠いているように見えます。
2023年2月の生産台数を過去4年の月平均台数と比較したデータを下に示します。左が国内生産、右が世界生産です。
国内生産台数でコロナ禍中の過去3年間の月平均をすべて上回ったのはトヨタ、日産、ホンダ、マツダ、三菱、ダイハツと6社もあります。世界生産の方も同様に過去3年間の月平均をすべて上回ったのはトヨタ、マツダ、三菱、ダイハツと4社あり、いよいよ本格復調の気配です。
最後に各社の各2年余の生産台数の推移を示します。図中の点線が過去4年間の月平均台数を示しています。
トヨタはここへきて、2019年の月平均の水準に追いつく勢いですが、日産とホンダはまだコロナ禍の3年間の域をようやく脱し様という水準に見えます。
スバルはここへきて失速気味です。マツダ、三菱ともにコロナ禍の水準を脱しつつありますが、マツダの方がコロナ前の水準には近いようです。
これまでコロナ禍の期間中、比較的好調であった軽主体のダイハツ、スズキですがここへきて少し停滞感があります。しかしすでにコロナ禍の水準から抜け出しており、特に国内はもうコロナ禍前に戻っていると言ってもよいと思われます。
コロナ禍の期間中、半導体はじめ部品不足という思わぬ事態に苦しんだ自動車業界ですが、ここから停滞することなく本格的回復からさらなる発展の道へと進んでほしいと願います。