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かんとこうブログ

2023.04.10

所得‐時間換算則・・人口と所得の関係

先週金曜日に世界の人口が21世紀末には減少に転じそうなこと、そしてその原因は出生数や出生率が減少してからであると書きました。今日はその続きで年代別の人口分布、所謂人口ピラミッドがどのように変化していくのか?そして現在の世界の国ごとの、あるいは地域ごとに人口ピラミッドはどのようになっているのかを調べてみました。データソースは金曜日と同じく国連の経済社会理事会、人口開発委員会による「世界人口予測2022」(下記URL)です。

https://population.un.org/wpp/Graphs/DemographicProfiles/Line/900

過去と未来の人口ピラミッドの推移を20年間隔でご紹介します。

1960年はピラミッドと呼ぶには少し先端が鋭すぎる形をしていましたが、まもなく東南アジアの仏教遺跡のような形となり、それからどんどん下側がどっしりと安定していき、キノコの家のようになり、最後は麦藁の山のようになりました。こうした形の変化は金曜日の人口カーブからある程度想像はできましたが、やはり実際に見ると人口の増加が停滞し、減少に転じる様子を具体的に感じ取ることができます。

一方、現時点(2023年)における世界の各地域の人口ピラミッドはどのようになっているのでしょうか?

国連のサイトに掲載されているデータ区分に従って並べてみました。なんとなく上の歴史的な時間経過に伴う推移に似ていると思うのは私だけでしょうか?さらにもう一つ別な区分の仕方による世界の人口ピラミッドをお見せします。

これも現在(2023年)の人口ピラミッドで、左から低所得国、中所得国、高所得国です。わずか3つの区分しかしていませんが、形の変化としては上の歴史的時間経過や現在の地域別と同じような形の変化を表していると思います。

今日のタイトルは「所得-時間換算則・・人口と所得の関係」とつけました。その理由は、これらのグラフから時間(時代の進歩)と人口の年代別構成の間には関係があるように見えるからです。時代の歩みとともに生活は豊かになっていくが、出生数は減少傾向となり、その結果人口が減少していくようになるのではないかと思えるのです。

2020年時点の国別の人口ピラミッドのグラフも載っていました。以下に示します。

これらの国々はG7プラスロシアと中国です。G7について見ると日本、カナダ、イタリア、ドイツは明確に人口減少モードにあります。アメリカの若年層がなんとか上の世代と同じような数を保持できているのは移民のおかげと推定しています。世界のトップの国々でも、いやトップの国々だからこそ人口の維持は難しいようです。

話は変わりますが、塗膜物性の世界には、温度-時間換算則というものがあります。これはとても試験できないような超短時間(短波長)や超長時間(長波長)の応力変化を測定温度を変化させることにより推定できるという魔法のような法則があるのです。これは材料の粘弾性特性が温度に依存して定数倍で変化することを利用したものですが、人口ピラミッドの推移を見ていると、人口の増減が所得に依存して変化するように見えたために、所得‐時間換算則という言葉が頭に浮かんだのです。

もうひとつ気が付いたのは、各国のピラミッドを見ると社会不安が大きくなるような大事件のあとには人口が減少することがわかります。ロシアのソ連崩壊や中国の文化大革命、天安門事件などがそれにあたります。最近のコロナ禍やウクライナ侵攻が社会不安となり、人口に影響を与えているのではないかと心配になります。

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