かんとこうブログ
2023.06.27
Gender Gap Report その2
昨日はGender Gap Report2023から、日本の評価とその算出方法の詳細についてご紹介しました。今日はこのGender Gap Report 2023に掲載されているさまざまなデータの中から選んでいくつかご紹介させていただきます。
最初は、世界の地域別Gender Gap Scoreです。(下図)
予想通り、ヨーロッパが最も高い数値でした。続いて北アメリカ(USAとカナダ)とここまでは予想通りでしたが、3番目は、中南米でした。ほぼ北米と同じレベルとなっています。つづいて、ユーラシア/中央アジア、サハラ以南のアフリカ、東アジア/オセアニアの3地域がほぼ横一線であり、最後を南アジアと中東/北アフリカが並んでいます。
これらの差は昨日ご紹介したように、実質的に4つの評価項目のうちの「経済的参画と機会」「政治的権限」の2項目による差ですので、この2項目の散布図を書いてみました。(下図)赤い点線は世界の平均値ですので、これを規準にすると4つのグループに分けられます。
「経済」も「政治」も上位の欧米、「経済」は上位だが「政治」が下位の東アジア/オセアニアとユーラシア/オセアニア、「政治」はそこそこだが「経済」が下位の南アジア、「経済」も「政治」も下位の中東/北アフリカ、となります。中東/北アフリカの位置については宗教によるところが大きいものと思われます。
Gender Gap Reportのデータの中には、各地域の女性国会議員比率もありました。(下図)2013年から2022年までの推移が示されています。これらのグラフの示すレベルは、基本的には、上で述べた各地域の「政治的権限」のスコアに準ずるものです。
しかしながら、1枚だけ気になるグラフがありました。中東/北アフリカです。他の地域はすべて女性の国会議員比率が上昇していますが、この中東/北アフリカだけは、逆に比率が下がっています。まさに世界の動きに逆行していることになります。
次にご紹介するのは、業種別、職位別の女性の(就労)割合です。どのような業種に女子が多く就労しているかが一目でわかるようになっています。図の横軸のA~Fは職位を表しており、アルファベット昇順に職位が高くなっていきます。赤の横瀬が50%ラインで、数値がこれより上であれば女性が過半数を占めていることになります。
こうしてみると、女性が過半数を占める職種はまだまだ多くはありません。さらに残念なことに、すべての業種で職位があがるにつれて女性の割合いが減少しています。Gneder Gap解消の最終目標は、もちろん職位に関わらず女性が一定のポジションを占めていることですので、「政治」だけでなく、「経済」のゴールはまだまだ先ということになります。
最後にGneder Gapとはあまり関係ありませんが、興味をひかれたものをご紹介します。将来を見通して、この先仕事に必要とされるようになりそうなスキルについての調査結果が載っていました。これから必要となるスキルのDI値が示されています。いずれもなるほどとは思いますが、人口知能やビッグデータ、電子的情報管理能力など、これまでは必ずしもすべての人に必要とされなかったことも、今後は必要とされる割合が増えることになるようです。
まだまだ面白そうなデータもありましたが、英語のレポートから資料を作るのは手間がかかり、ここで力が付きました。ChatGTPにでも頼めばよかったと後悔しています。