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かんとこうブログ

2023.08.03

ランク入り会社数は今年も減少・・Coatings World誌の2022年度売上ランキングその1

先日ご紹介したCoatings World誌の2023年(2022年度売上金額)ランキングが8月1日に発表になりました。昨年と同じ日付となりました。早速その内容についてご紹介していきたいと思います。

このランキングは年間の売上が1億$以上の会社をランクアップしているもので、一般に公開されているランキングとしては最も広く知られているもののひとつです。ランキングですので、常連もいれば初顔もあり、消えていった会社もありとなりますが、ことしはそうした動きが極めてすくない年となりました。

まず初顔のFirst Timerはありませんでした。これも記憶にないほど珍しいことでした。さらにTake Out会社(買収によってランクから消えた会社)もイタリアのICAグループしかありませんでした。このところ大手企業がM&Aを重要な経営戦略として位置づけて盛んに買収が行われていたのですが、2022年度は1社だけでした。そのほかランク漏れと書きましたが、何の説明もなく消えた会社がありました。日本のオリジンです。同社は塗料の生産販売も行っているためこれまでずっとランクインしていましたが、今年は外れています。ということで、昨年から2社減った勘定になります。

左図はランクインした会社数の推移を示していますが、今年は昨年の75社から2社減って73社となりました。傾向としては減り続けています。世界の売上全体は伸びているのですが、ランク入りする会社数が減り続けるというのは、とりも直さずM&Aが活発に行われていることの証左であると考えています。

次に世界のトップ30をご紹介します。

顔ぶれはほとんど変わりません。また後述するように順位変動も大きなものはありません。日本からは、日本ペイントホールディング、関西ペイント、中国塗料、エスケー化研、大日本塗料の5社がランクインしています。

ランクインした73社を、売上金額および昨年からの順位変動とともに下表でご紹介します。赤字が日本メーカーで14社あります。前述のようにオリジンが消えましたので昨年から1社へりましたが、それでも国別会社数では世界一です。

非常に大きな順位変動は、30ランクアップしたWEG、22ランクアップしたKagnam Jevesco、20ランクダウンしたKelly-Mooreの3社でした。順位変動空欄は変化なしを意味しています。

それでは上位10社について若干のコメントをしていきたいと思います。

今年もトップはPPGでした。会社としても売上はSherwin Williamsの方がかなり多いのですが、Sherwin Williamsの場合には塗料以外の売上もあることから、このランキングにおいては塗料以外の売上が考慮されないことになっているようです。このあたりの匙加減はよくわかりませんが、全体にCoatings World誌の立ち位置としてはPPGに近いという印象を受けています。

日本ペイントは大きく売り上げを伸ばしましたが、100億$にはわずかに及びませんでしたが、今年度はこれを超えることは確実です。この日本ペイントを上回る売上の増加を実現したのがRPMでした。ざっと見て2位から5位までの企業が比較的多く売り上げを伸ばしたということになります。7位と8位、9位と10位がそれぞれ入れ替わっただけで大きな順位変動はありませんでした。

次にランクインした日本企業について同様にご紹介します。

実は日本企業については、このランキングにおいて$換算売上金額が減少しているケースが多く見られました、日本で発表された決算では売上が減少した会社はほぼなかったことから。やはり為替の影響が大きいことになります。因みに換算レートは決算期の最終日のレートとされています。

今日は一旦ここで終わります。明日はランク内の層別動向についてご紹介します。

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