かんとこうブログ
2024.09.06
リライブシャツの特許と試験報告書
最近テレビのコマーシャルでよく見る「リライブ」というシャツがあります。着るだけで体が柔らかくなるかのような効能を聞くといかにしてそれを実現しているのか興味がわいてきます。この会社のホームページは取得している特許とこのシャツの効果について外部機関で行った二重盲検法の結果が見つかりました。特許の中身と試験報告書の内容をご紹介したいと思います。特許の登録・保有者は株式会社身体機能研究所です。
特許は年金も払われて権利として成立しています。特許においては、まず従来の技術というのを説明し、今回の発明のどこが新しくてどういう効果があったかを述べなければなりません。この特許では従来技術としてワコールが権利保持している運動衣を挙げていました。
ワコールが保有しているこの特許は肩甲骨周辺を中心に緊締部が縫合されており、肩周辺の柔軟性を向上させることで運動パフォーマンスを高める効果があると説明されています。
これに対し、リライブの特許は全く異なる発想で発明に至ったものであるとして、「着用者の筋肉をサポートして運動能力や柔軟性を向上させることができる衣類を提供することにある」としています。特定の筋肉をサポートすることで運動能力を高めるのだと言っているのです。
具体的にはシャツおよびズボンの特定の位置にテープを貼るのですが、上半身、下半身のサポート部位は下図のようになっています。
何だか拍子抜けするほど簡単な構造です。上半身に3部位、下半身に3部位、選ばれた筋肉をサポートするようにテープを貼るだけのようです。ただし、テープの寸法、材質、貼り方にはかなり細かい指定がありますので、そう簡単なものではないのでしょうが、これで果たして効果があるのかと思わないでもありません。サポートする筋肉は大腰筋(上半身と下半身)、棘上筋(上半身)、大円筋(上半身)、腸骨筋(下半身)と梨状筋(下半身)とされています。
この衣類の効果については、株式会社TFCラボという機関が試験を実施し報告者を発行しています。結果をざらっとご紹介します。二重盲検試験とは、試験対象品と偽物(プラセボ)の2種類を用意し、被験者も試験者もそれがどちらであるか知らない状態で試験をする方法で、恣意的な結果が出にくいとされています。6週間かけてさまざまな運動能力試験がおこなわれたようです。グラフで一覧表示します。ピンクが試験品(リライブ)青がプラセボです。
全ての試験でリライブの効果が顕著に認められます。この結果からは間違いなく効果があると言って良いと思います。気になるところがあるとすれば被験者が男子7名、女子7名合計14名であったことですが、いずれも「有意になった」と書かれていますので、統計的にも問題ないようです。
いかがでしたでしょうか?特許と試験報告書を見る限り、それなりに筋の通った商品ではないかと思われます。