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かんとこうブログ

2024.11.29

2023年度エネルギー需要供給速報 その2

昨日の続きです。2023年度電源割合と発電電力量/発電エネルギー投入量の推移(2022年度まで)を下図に示します。

2023年度のエネルギー需給における大きなニュースのひとつは原子力の復活です。前年度比で51.2%も増加し、発電全体の8.5%を占めるに至りました。とは言え、東日本大震災前の水準、日本のベース電源であった時代に比べるとまだまだ低い水準ではあります。日本のカーボンニュートラル実現には欠かせない電源が原子力とされていますので、今後も原子力は復活していくものと思われます。

世界の電源構成はどうなっているかを下図に示します。

日本は左から4番目で、再生可能電源比率は2割を超えたあたりに過ぎません。依然として石油、天然ガスが主力となっています。世界で再生可能電源比率が高い国は、デンマークは風力、フランスは原子力、スウエーデン、ブラジルは水力、と言った具合にそれぞれメインとなる電源があります。日本では太陽光が再生可能電源として最も普及しており、太陽光に関しては世界のトップレベルですが、それでも全体の1割程度に過ぎません。太陽光に全体を賄うだけのポテンシャルは現在主流のシリコンでも、最新のペロブスカイトをもってしても難しいのではないかと思います。

また世界各国の総最終エネルギー消費量における電力の割合については、下図のようになっており、日本は上から4番目に書かれています。上の図と数字が違うのは年度と暦年の違いなどが理由として考えられます。大事なことは、世界で見ると、この総最終エネルギー消費量に占める電力の割合は上昇傾向であり、今後も上昇し続けるであろうということです。ですので、電源における再生可能エネルギーの割合が重要であり、何を柱としてカーボンニュートラルを達成するかについての戦略が重要です。

さらにエネルギー輸入依存度でみると周知のように日本はほぼ輸入に依存しています。

日本は、エネルギーをほぼ輸入に依存しつつ、カーボンニュートラルを目指さなければなりません。カーボンニュートラル達成に対して人口減少は追い風にはなるでしょうが、日本の現状は世界の平均よりも進んでいるとは言えません。残された期間の中で、暖房をはじめとして化石資源に一切依存しない生活というものはとてつもなく高いハードルであることに改めて気付かされます。

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