かんとこうブログ
2025.01.21
業況アンケート12月も低調、1月に期待
昨日、日塗工から11月度経産省確報と12月度業況観測アンケートを同時に受領しました。いずれも組合員の皆様にはすでにお送りしておりますが、例月の追加情報をお送りします。どちらを先にするか迷いましたが、業況アンケートから先にご紹介することにしました。経産省確報の塗料単価は明日、原料情報は明後日にご紹介します。
12月度の結果は下表のように建築外装を除いて前年同月を下回りました。10月が少し良かったのですが、11月、12月と減速気味となりました。幸い2025年1月は数量、金額とも前年を超えそうなので期待しましょう。
業況観測アンケートと経産省確報の全体数量、金額についての前年同月比の推移を下図に示します。
経産省確報の方がひと月遅れのデータになりますが、増減の動きはよく一致しており、2023年までの数量と金額の乖離がほぼ解消しています。前年同月比の数値に関しては、仔細に比較すると経産省確報の方が最近はやや低めとなっています。
現在の出荷金額、出荷数量の水準を把握するため、2018年を100とした指数を各月ごとで前年比を累積して計算しています。具体的には2024年12月の場合は下式になります。
2024年12月の指数=100*(2019年12月の前年同月比)*(2020年12月の前年同月比)*(2021年12月の前年同月比)*(2022年12月の前年同月比)*(2023年12月の前年同月比)*(2024年12月の前年同月比)/100^6
9月から12月の各月の指数の推移は下図のようになりました。
各需要分野を総体的にみると、2022年において2018年の水準に回復し、2023年、2024年は2018年を上回っていることがわかります。ただし、木工分野は、月によってはいまだに2018年レベルに回復していないことを示す月もかなりあります。これはあくまで需要分野別に見た出荷金額の指数です。
需要分野別の統計は、日塗工の状況観測アンケートの金額に関する統計しかありません。数量の減少が心配されるのですが、これについては経産省確報から日塗工が算出している純出荷の全体数量から見る以外に方法がありません。
下図に2018年から2024年の純出荷数量、指数の推移を示します。
左図からは、2024年の純出荷数量はこの6年間では2020年とならんで最低レベルであったことが、右図からは、純出荷数量の年平均(2018年各月を100とした指数の年平均)がコロナ禍以降も減少し続けていることが示されています。
さらに毎月の純出荷数量をプロットしてみるとかなりショッキングな事実が浮かび上がります。
赤野点線で示した一次近似式の傾きは-250です。つまり毎月250トン、毎年で3000トンずつ減少してきていることを示しています。このまま減少すると35年後にはゼロになってしまいます。そしてこのように長期間減少しいることは、単なる景気循環では説明が難しいのではないかと憂慮する次第です。毎月のように同じことを書いているではないかとの批判は甘んじて受けますが、事実として出荷数量においていまだ変局の兆しは見えません。