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かんとこうブログ

2025.07.22

6月の貿易統計・・対米自動車/自動車部品の動向

新聞記事で、6月の貿易統計が発表され、対米自動車輸出が前年同月比で20%以上落ち込んだと書かれていました。落ち込んだ理由としては、関税分に対しての値引きや車種が小型化されていることが挙げられていました。それ以上の詳しいデータがありませんでしたので、実際の貿易統計を調べてみました。

新聞では対米輸出に関することしか書かれていませんでしたが、対米だけでなく、対EU、対アジア輸出も調べてみました。

輸出全体と各地域への自動車輸出の台数、金額、単価(1台あたりの金額)の推移をグラフで示します。

確かに対米自動車輸出の金額(下段中)は、5月以降大きく落ち込んでいますが、台数(下段左)は5月の落ち込みから回復し平均的な数字に戻っています。また1台あたりの単価は2024年の平均的数値からみると20%以上のダウンになっています。ここから推定すると、値引きをしたか、車種が小型化しているかが考えられますが、車種に対する嗜好性が急に変わるとも思えませんので、可能性としては値引きの方が高いのではないかと思います。こうした対米輸出の変化は、輸出全体に占める割合が高いため、輸出全体に影響を与えています。(上段のグラフを参照)

ところで、他の地域への輸出はどうだったのでしょうか?

対EUについては、対米のような大きな落ち込みは見られません。またアジアについても対EUと同様でした。ということは、対米輸出だけが落ちこみ、それが輸出全体にまで影響が及んでいるということが確認できました。(ある意味当然の帰結ですが・・・)

さらに自動車部品についても地域ごとの数量、金額、単価(百万円/トン)の推移を調べてみました。

自動車では、対米輸出が数量、金額とも最大でしたが自動車部品では対アジア輸出が最大となっています。肝心の輸出数量、金額の推移についてですが、対米輸出において多少の落ち込みはありますが、完成車ほどではなく、これまでの変動幅の範囲内でした。また他の地域(EUおよびアジア)への輸出に大きな変化もありませんでした。

対米自動車輸出金額が前年同月比で20%以上もダウンすると聞くと大変なショックではありますが、中身を見ると台数の低下はそれほどでもないことに救いを感じます。この先どう変化していくのか、交渉の行方とともにウオッチしていきたいと思います。

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