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かんとこうブログ

2026.07.07

接触冷感について

先日当組合の生産性向上委員会セミナーで暑熱対策品の紹介をしたもらったところ、暑熱対策品の中に接触冷感作業服というのがありました。これは文字通り触った瞬間にひんやりと感じる素材でできていました。どんなものでできているのか興味がありましたので調べてみました。今日は接触冷感素材についてご紹介します。

冬季に朝目覚めたとき、裸足のまま床にふれると冷たいのですが、スリッパや靴下をはいていると冷たくありません。これは、熱の伝わり方の違いによるものだと教えられてきました。夏の接触冷感素材も同じ理屈で、こちらは熱が伝わりやすい方が望ましいことになります。ネットを探すと日本被服工業株式会社のサイトに「接触冷感とは?基本的な仕組みや効果の高い素材を紹介」という記事(下記URL)があり、まさに調べようとしたことがそのまま載っていましたので、引用させてもらうことにしました。

https://www.nihonhifuku.jp/columns/cool_touch/

   

最初は接触冷感の基準から説明が始まります。熱の伝わり方の尺度としてQ-max(最大熱吸収速度)が用いられ、温度差が10℃の場合に、Q-max=0.1以上を接触冷感としているようです。但し、実際にはっきりと冷たいと感じるためには、Q-max=0.4以上が必要とも書かれています。

   

   

とりあえずQ-max=0.4以上というのを頭において、接触冷感の仕組みをみてみましょう。ここでは「熱伝導率だけでなく、さらりとした肌触りも必要」と書かれており、これも直観的に納得できます。

   

   

次にこうした接触冷感を実現するための「高い熱伝導率」と「さらりとした肌触り」を満たす材料にはどんなものがあるかが書かれており、麻、絹、レーヨン、ポリエステルの4種類の繊維が挙げられています。

   

   

麻、絹は天然繊維、レーヨンはセルロースから作られる再生繊維、そしてポリエステルは合成繊維です。それぞれQ-maxが0.3以上と大きく、個性的な特徴も留意点もあるようです。ここではこうした4種類が使用されていると頭にいれておいていただければ十分です。

   

最後に制服、作業服に接触冷感素材を使用する場合注意点が述べられていますが、これはしごくごもっともな点ばかりで、要約すると「接触冷感は一時的なもので長続きしない。従ってQ-maxの高さだけで選択されずに吸湿性、吸水性のある素材を選択されている」ということです。

   

   

とここまでが日本被服工業株式会社のサイトから引用させていただいた内容です。ここまで読んできて、少し違和感を感じたことがあります。それはポリエステルです。典型的なポリエステル繊維と言えばPETを思い浮かべますが、冷感素材というイメージはありません。もちろんPETが冷感素材にも使われているとも書いてあったわけでもありません。で少しだけ調べてみました。

   

繊維素材別の熱伝導率というデータが記載された文献が見つかりました。これによるとポリエステルは冷感素材にはなりえないことになります。この熱伝導率のデータは感覚的にはぴったりします。この記述を要すると天然繊維およびその由来のものは冷感素材になるが、合成樹脂はならないということになります。

   

   

となると日本被服工業株式会社の記載にあった冷感素材としてのポリエステルは特殊な組成、構造などを持ったものではないかと推測されます。ご参考までに麻、絹、レーヨンの組成や構造について簡単に調べたものを添付します。熱導電性との関連を考えてみるのもよいかもしれません。因みに私に成案はありません。麻とレーヨンの基本組成はセルロースで同じですが、重合度および構造が異なっています。

  

  

我々塗料製造業では接触冷感作業服の条件に導電性を加える必要があるかもしれません。となるとますまずポリエステルは候補になりにくくなるかもしれません。

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