かんとこうブログ
2026.07.25
Coatings World誌のTOP COMPANIES REPORT2026 おまけ
これは世界の需要動向とは関係ないながら、気になったことについて調べた結果です。これを読んでも市場動向に参考になる話ではありません。
昨日、定点観測値として以下の4枚のグラフをご紹介し、10位、20位、30位の売上推移における凸凹が気になると書きました。この理由は果たして大型のM&Aかと思っていたら、実は全く関係のないことでした。

2010年から2015年までの30位までのランキングを横に並べてみました。

字が小さくて恐縮ですが、この表の赤字で示した会社に注目してください。例えば2011年で言えば、Henkel、Sika、Comex、H B Fuller、Materis、KCCです。これらの会社がランキングに登場するのはなぜか一年おきであり、2013年、2015年と現れ、後は現れなくなりました。理由は全くわかりませんが、表面処理、防水材、接着剤などは、塗料に類似の分野であり、同じ会社で塗料と一緒に製造されているケースもあります。従ってどこで線引きをするのか、どの会社は入れ、どの会社は入れないかのかはかなり難しい問題であることが関係しているように思います。
少し事情が違いますが、このところ首位争いを続けているSherwin WilliamsとPPGについても、Sherwin Williamsの売上の中から塗装用具を除外するかどうか、どの程度除外するかが微妙な問題となるようです。今年の日本特塗料のような例もありますし、為替の問題もついてまわります。世界ランキングを作成するのは実はとても難しいことだと感じます。
またBenjamin Mooreを紫字で示していますが、この会社の売上推移がとても理解不能な増減をくり返しています。通常の会社運営をしていてこれほど増減が大きくなる理由が考えつきません。そして多くの場合、Coatings World 誌の記事にはそのことに関する記述がありません。
まあ、このランキング作成はCoatings World編集部の専権事項ですので、いろいろな事情があるのだとは推測できます。それはそれとして、上表の赤字で示した会社の除いて定点観測のグラフを描き直してみました。すると見事に凸凹がなくなりました。人為的な要因を排除すれば、ほぼほぼ信頼に足る統計なのではないかと思います。

これら修正グラフの方がより実態を表わしているとしても、20位の会社の売上が増加しないことは不思議な現象と言わざるを得ません。さらに40位から70位についても定点の会社の売上推移をグラフにしてみました。この4つのグラフは上の10位から30位までと異なりHenkelなどを含んだそのままの順位ですが、近似線の傾きはすべてマイナス、年平均成長率も極めて低いゼロ付近の数値でした。

また、このCoatings Worldのランキングに入る会社の数が2010年に85社もあったのに対し2025年において82社に過ぎないことからもM&Aにより多くの会社が買収されたことが推測されます。
日本でも大日本塗料が神東塗料を、ナトコがトウペを買収しました。長らく動きのなかった日本の塗料製造業も変革の時代に入るのかもしれません。