かんとこうブログ
2026.10.27
電気料金の値上げ・・各社の決算数値と電源構成
電気料金がじわじわと上がってきています。実際のところどの程度上がってきているのか、改めて調べてみました。最初は、電気ガス比較サイト、「エネチェンジ」から(下記接続先)の引用です。
https://enechange.jp/articles/electricity-price-increase
この10年で電気料金がいくら上がったかというデータ(下図上段中央)がありました。出典は経産省、資源エネルギー庁のエネルギー動向2026年版ですが、2024年までのデータしかありません。これを見るとやはり2022年のウクライナ戦争の影響が大きく、その後2024年も大きく上昇していることがわかります。そのグラフの左右に石炭、LNGの価格動向を示しましたが、2022年まではよく一致しているように見えますが、2024年の石炭(オーストラリア産)、LNGの価格動向と電気料金の動向は一致していません。為替の影響も考えましたが、LNGについては、円ベース価格には円安の影響が認められますが、石炭ではほぼ関係ありません。よくわからない点もありますが、基本的にはエネルギー価格に連動して動くと考えてよいと思います。

2026年に入り電気料金は何段階かで値上げされており、今後もさらに値上げされます。4月には再エネ賦課金の単価があがりました。5月の検針、11月の検針から政府の補助金、再補助金が終了します。そして11月の検診から託送料金の改定で北陸電力を除く9社が値上げを行います。
過去半年間の電力10社の電気代推移(従量電灯AまたはB契約、260KWh/月の使用量)での推移(予定含む)を示します。

左表の10月分は11月検針分、9月分は10月検針分です。10社すべてが値上げをしており、補助金の終了、託送料金改定、中東情勢不安の影響が影響しています。各社とも標準的な家庭で1000円程度の値上げになります。一方右図で見ていただきますと、電力料金は各社でかなり差があることもわかります。最も安い関西電力と、最も高い北海道電力ととでは同じ使用量で3000円以上の差があります。
これらの理由については冒頭書いたように、①託送料金の増額、②燃料費調整額の変動による値上げ、③補助金終了による値上げ、④再生可能エネルギー発電促進賦課金の値上げが要因として上げられていますが、詳しくは「エネチェンジ」サイトをご覧ください。詳細な説明があります。
ここまでで気になったのは、電力会社の経営状態はどうなっているのかということです。中東情勢不安でエネルギー価格は高騰し、さぞかし電力会社の経営を圧迫しているのであろうと思い、2027年3月期第1四半期(2026年4~6月)の決算状況を調べてみました。具体的には、最近5年間の営業利益率(営業利益÷売上高)の推移をグラフにしてみました。2026年の第1四半期の営業利益率の高い順に並べてみました。


全体としては、2022年の第1四半期は不振でありましたが、2023年の料金改定により急回復し、2024年、2025年と次第に営業利益率が低下し、2026年の第1四半期ではマイナスとなった会社が4社となりました。
しかしながら、営業利益がプラスの会社も6社あり、最も営業利益率の高かった九州電力では15%を超えていました。大手の東京電力、中部電力が営業利益率がマイナスであったりしますので、単に規模の大小では語れません。すると考えられるのは電源構成の影響です。実際の電源構成は2025年度で下表のようになっており、驚いたことに石油火力はほぼなくなっていました。

各社ごとに、割合が最も多いものから順番に色付けをしていますが、各社ごとにかなり違いがあることがわかります。燃料費の影響をまともにうける火力の割合、比較的そうしたものに影響をうけないと思われる原子力、水力の比率を調べてみました。電力会社が買い取った再エネ(FIT電気)については、各社とも一定の数量(10%前後まで)ありますが、価格への影響がよくわかりませんでしたので、考察の対象から外してあります。
この電源構成から各社の営業利益率推移をみると一定の関係が見えてきます。各社のグラフの下に、電源構成の特徴を書いておきました。傾向はシンプルです。営業利益率の高い会社の電源構成は、火力の割合が低いことが共通して挙げられます。逆に営業利益率がマイナスになった4社のうち3社は火力の割合が高い会社でした。さらに、営業利益率の高い会社は、原子力または水力の比率が高い会社が多く、火力の比率が高くても原子力の割合が一定量あれば、営業利益がマイナスとならないとも言えます。

少なくとも今年の第1四半期の決算からはそのようにまとめることができます。営業利益の数字が、そのまま電気料金に反映されるわけではありませんが、発電における電源構成はCO2問題もさることながら、こうした電気料金の問題からも考えてみる必要があるかもしれません。