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かんとこうブログ

2021.01.25

シクラメンの花の色

シクラメンと言えば、すぐに思い出すのは布施明のヒット曲「シクラメンのかほり」(小椋佳 作詞・作曲 昭和50年)ですと言えば、年齢がおのずとわかってしまいますが、この歌の歌詞は「真綿色したシクラメンほど・・」で始まります。真綿色とはどんな色でしょうか?今日はシクラメンの花の色について書きます。

今年の正月明けから、恵比寿駅からガーデンプレイスに向かうスカイウオーク(動く歩道)の脇にシクラメンが飾られています。赤、白、紫、ピンクといった色とりどりのシクラメンが置かれており、緊急事態宣言下のやや殺伐とした雰囲気を和ましてくれています。

恵比寿ガーデンプレイス方面出口付近に置かれたシクラメン

ところで、真綿色ですが、まず真綿とは、糸にできないようなくず絹から作られた絹系の綿のことですが、真綿色というのは定説がないほどマイナーな色であり、小椋佳さんの創作語という説もあるようです。イメージとしては純白ではなく、少しく黄色がかって光沢のある色だそうです。人工的ではない、自然で柔らかな感じの白を表現しているのではないかと思います。

白のシクラメンの場合、花弁に有色の色素は存在しないのですが、これはほとんどの場合、花の中で何段階もかけて行われる色素の合成が途中で停止されていると考えられています。動物で例えれば白いキリン(色素欠損による皮膚の白色化)のようなものかもしれません。

花き研究所:白色 | 農研機構 (affrc.go.jp)

色のついたシクラメンの場合にはどのような色素なのでしょうか?赤、紫、ピンクと聞くともうおわかりですね。アントシアニンです。シクラメンの色素と花の色との関係が解明されているのかと思い調べてみたところ、香川大学の農学部から論文が出されていました。堂々たる学術論文ですが、中身を簡単にご紹介します。論文は二つ出ており、ひとつは赤と紫のシクラメンの色素について、もう一つは黄色のシクラメンの色素についてです。

どのようにして花の色素を調べたかというと、花弁からギ酸酸性メタノールを用いて抽出した色素を、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)、TLC(薄層クロマトグラフィー)、ペーパークロマトグラフィー等で分析したと書かれています。塗料とも少しはなじみのある分析方法ですね。同定された色素と花の色の関係は下図のようになります。

香川大学の論文(下記URL)を基に作図
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010760484.pdf
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010901543.pdf
赤はアントシアニン類のベオニジンの配糖体(グルコースなどの糖が結合したもの)、紫は同じくアントシアニン類のマルピジンの配糖体でした。ベオニジンとマルピジンの構造の違いは、アントシアニン骨格のB環の5’の位置にメトキシ基がついているかどうかだけですが、これだけで、光の吸収波長が異なります。

一方、黄色はアントシアニン類ではなく、カルコン類とアントシアニンとは構造の異なるフラボノイドのカルコナリンゲニンの配糖体でした。赤丸や紫丸、それに黄丸をつけたものが検出された色素うちの主成分でした。

シクラメンの色素の構造が判って何が楽しいのかと聞かれても困るのですが、今度シクラメンを見る機会があったら、この話を思い出して眺めていただければ、少しは印象が変わる、例えば黄色のシクラメンは少し仲間外れ的な存在であるとか、白いシクラメンは色素の合成が途中で止まってしまっているとか、のではないかと淡い期待を抱いています。

最後にシクラメンの花ことばをご紹介して終わりにします。

シクラメンの花言葉は「遠慮」「気後れ」「内気」「はにかみ」ですが、色によって少しずつ変わっています。

「清純」「綿密な判断」「思いやり」

ピンク「憧れ」「内気」「はにかみ」

「愛情」「きずな」「はにかみ」「嫉妬」

赤の最後の「嫉妬」はあまりいい言葉ではないように感じるかもしれませんが、嫉妬するほどに相手を認めているというようなニュアンスだそうです。寒さに負けずにきれいな花を咲かせるシクラメンのように、綿密な判断と思いやりをもって、固い絆と愛情でコロナに負けないよう過ごしていきたいものです。

花言葉は下記のサイトから引用しました。

シクラメンの花言葉の意味・由来など | 花工房エーデルワイス (flowergift.co.jp)

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