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かんとこうブログ

2022.10.05

またもや日本人の受賞ならず・・ノーベル物理学賞、ところで「量子もつれ」とは

 昨夕ノーベル物理学賞が発表になりました。今年はイギリスの科学情報会社の事前予想で先日当ブログでご紹介した谷口さん渡辺さんのお二人の名前が挙がっており、それ以外に有望視される方が多くいらっしゃったので期待が持てましたが、残念ながら日本人の受賞はなりませんでした。この物理学賞の対象分野も極めて広く、理論から実際の物質まで本当に多くのすぐれた研究が目白押しですので、そうそう日本人が受賞できるものでもないというのもしかたのないところかと思います。

今回受賞された3人の方は「量子もつれ」という現象の解明に功績があったということです。この「量子もつれ」という現象を利用することで、大量かつ遠距離間の情報伝達や量子コンピューターによる超高速計算が可能になるということでした。今日のこの「量子もつれ」について少し書いてみようと思います。数学や物理が得意でない化学屋にとって敷居が高いのですが、ネット情報の切り貼りでまとめてみたいと思います。

まずは「量子」から説明します。量子力学というのは聞かれたことがあるかもしれません。物質の最小単位である原子の構成要素である電子、中性子、陽子といったものが量子の代表選手です。この量子は粒子と光の性質を合わせもったものとされます。こうしたきわめて小さな物質の世界では、古典的なニュートン力学では説明できない現象が多くあり、量子力学という特別な法則が適用されます。昔は原子の模型は中心に原子核の球があり、そのまわりに楕円軌道でまわる電子の小球が描かれていましたが、今は少なくとも電子は雲のように描かれます。つまりある確率をもって原子核の周囲の広い空間に存在しているということなのです。

さて量子には古典的な物理学では説明のできない現象が多くあると書きましたが、その一つが「量子もつれ」です。「量子もつれ」と聞くと、量子がお互い絡まってしまっているような印象をうけるかもしれませんが、英語ではQuantum Entanglementと書きます。Entanglementとは「糸や人間関係のもつれ、絡み」がもともとの意味ですのでこの場合は、遠く離れていても糸で絡んでいるかのごとく連動した動きをすることを意味します。名古屋大学のサイトからこの「量子もつれ」についての説明を引用します。

20180418_engg_1.pdf (nagoya-u.ac.jp)

量子もつれとは、二つ以上の粒子が特異な影響を及ぼしあうことです。例えば、量子もつれ状態にある反平行スピン対を測定すると、測定前は各々のスピン方位は全く決まっておらず、あらゆる方向をとりうるのに対し、ひとたび一方のスピンを測定すると。もう一方のスピンはどんなに離れていてもすぐさま反対向きを向いた状態に確定します。アインシュタインはこの現象を「奇妙な遠隔作用」と呼び、光より速く情報が伝播しているという矛盾を指摘しました

ソース画像を表示

粒子1と粒子2が量子的にもつれた状態にあるとき、互いにどんな離れた場所にあっても、粒子1に対する測定は瞬時に粒子2の測定結果に影響を与える。(図は理研サイトから引用:下記URL)

量子もつれの境界則に対する新しいメカニズムの発見 | 理化学研究所 (riken.jp)

つまりどんなに遠く離れていても、「量子もつれ」で結ばれている粒子間には光より速く情報が伝達されるということです。この「電子もつれ」の応用についてはWikipediaから引用します。

量子もつれを利用すると様々な量子情報的なタスクを行うことができる。代表例は量子テレポーテーションである。量子テレポーテーションは、量子もつれと(2ビットの)古典情報の通信を用いて離れた場所に(1量子ビットの)量子状態を転送するタスクである。逆に、スーパーデンス・コーディング量子もつれと1量子ビットの通信を用いて2ビットの古典情報を離れた場所に転送するタスクである。」

今回受賞した3氏の功績と将来への展望については、日経新聞社のサイトから引用します。

ノーベル物理学賞に米欧3氏 量子技術革新の土台築く: 日本経済新聞 (nikkei.com)

「3氏の業績により、2つの量子の間に見られる「量子もつれ」と呼ぶ特殊な結びつきが実証された。3氏は量子もつれなどの状態をそれぞれの方法で実証し、量子力学の基盤となる現象を確認した。

これらの業績をもとに量子コンピューターの研究が活性化し、19年には米グーグルが既存のコンピューターを上回る性能を初めて実際に示すことに成功した。量子コンピューターはスーパーコンピューターで何億年もかかる難問を数分や数時間で解く潜在力を秘め、米テック企業などが開発競争を繰り広げる。日本企業も開発に乗り出しており、富士通が23年度に実機を整備する計画だ。ボストン・コンサルティング・グループの予測によると、40年ごろには量子コンピューターは最大8500億ドル(約120兆円)の価値を生む可能性がある。」

以上「量子もつれ」について私が理解できる範囲でご紹介しました。

さて今日はノーベル化学賞の発表があります。日本が特異とする有機化学は今年は選ばれないのではという予測があるようですが、どうなることでしょうか?

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