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かんとこうブログ

2020.11.27

最低気温 10℃説は儚くも否定されました!

今週はずっとコロナネタを書いていますが、今日も昨日の続きです。昨日東京都の感染者数と気温との関係から、最低気温が10℃を下回ると感染者が増加するのではないかと仮説が成立すると書きました。これを確かめるため、今日は北海道と大阪について調べた結果をご紹介します。残念ながら仮説は簡単に否定されてしまいました。

昨日のおさらいです。東京都の感染者数(棒グラフが実数、折れ線グラフが7日間移動平均)が上昇を開始した時点を緑色の点線で表し、東京都の最低気温が10℃を下回った時点を紫色の点線で示しています。感染者数が上昇したのは、最低気温が10℃を下回ってから4日ほどであり、タイミング的にはまずまず感染拡大のトリガーとして整合性のある関係でした。(今日使用している感染者数のデータはNHKのサイトから、気温のデータはGooのサイトから引用しています)

北海道については、感染拡大開始が1018日、10℃を下回ったのが109日であり、拡大のトリガーとして少し早すぎる感じがしますが、許容範囲と言えないこともありません。とここまではそこそこ期待を持たせましたが・・

大阪の場合、感染拡大が始まったのが、1017日であり、最低気温が10℃を下回ったのは、1031日でした。誠に残念ながら、10℃を下回るのが拡大開始よりも遅くトリガーになり得ません。仮説は儚くも否定されてしまいました。

このまま終わっては読んでいただいた方に申し訳ないので、ちゃんとした研究例がないか調べてみました。実はこれが意外に見つかりません。定性的な話はいくらでもでてくるのですが、定量性のある話はなかなか見つかりません。以下の2つだけでした。いずれも同じサイト(しかも個人のサイトのようです)からの引用です。

https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20201004-00201456/

一つ目はアメリカの研究で、世界の年における気温と湿度と感染者数のグラフです。

横軸が平均気温で縦軸が平均比湿です。比湿の単位はg/Kgとなっていますので相対湿度とは違います。目安としては20℃で比湿10で相対湿度が約70%、10℃では比湿5で相対湿度が約70%になります。この図を見て確かに平均気温が低いところ、比湿が小さいところに感染の多い地域が分布しているようには見えますが、気温依存性を計算できるまでのデータではありません。

もう一つ紹介されていたのは、「166カ国の気温・湿度と感染者・死亡者の数との関係を検討した別の研究において、

・気温が1℃上昇するごとに 1日の新規症例数が3.08%減少 / 新規死亡数が1.19%減少

・相対湿度が1%上昇するごとに、1日の新規症例数が0.85%減少 / 新規死亡数が0.51%減少した」

という記述です。細かなデータの提示がないのですが、気温と湿度によってかなり大きな影響があるということになります。ただこのまま単純に計算すると、気温が10℃上がると新規感染者27%減り、20℃上がると47%減るということになります。第2波が真夏であったことを考えるとこれをすべてに当てはめるには無理があるように思われます。

一方で、感染において、気温は重要ではなく、湿度が支配的であるとか、気温も湿度も支配的要因ではないという意見もあり、要は現時点で気温と湿度と感染拡大の間に定量的な因果関係は証明されていないということだと思います。

ただし、気温が低く湿度も低い条件では、ウイルスが活性を維持する時間が長いことは間違いなさそうですので、より一層の警戒をして、マスク、うがい、手洗いなどの防護策を徹底する必要はありそうです。

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