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かんとこうブログ

2021.06.29

ワクチン接種状況について

このところコロナ関連事項ばかりが題材になっていますが、オリンピックを間近に控え、感染が再拡大方向にあるのが気になっています。感染の拡大はワクチン接種との競争といわれており、政府は接種の加速化に様々な手段を講じており、ワクチン接種が進んでいる印象があります。今日はそのあたりを検証してみたいと思います。 

まずは、首相官邸ホームぺージの日毎と累積の一般接種状況の図です。(628日)ここには医療従事者が含まれていません。

左が日毎の接種数で、政府は先週1日あたり100万回を超えたと発表していますが、この図には医療従事者の接種分が含まれていませんので、100万回には到達していません。医療従事者の接種数は、別途発表されており、1日あたり10万人~20万人程度ですので、高齢者中心の一般接種数(左の図)と合わせれば、政府発表通り1100万人を超えているのは間違いないと思います。このグラフになぜ医療従事者の接種分を加えないのか不思議ですが、ここではそれを問いません。

右の図は、累積の接種者です。部分接種者が16.84%、完全接種者が6.54%となっています。

これを踏まえてさらに関係する数字をご紹介します。都道府県の人口当たり接種%です。この都道府県別の人口当たり接種%は首相官邸ホームページには掲載されておらず、掲載されている都道府県別接種件数(実数)をもとに自分で計算する必要があります。(都道府県別人口は令和2年度の国勢調査の速報が出ているのですが、使いづらい形だったので、平成27年の数値を使っています。)

こういうグラフは最近お目にかからなくなりました。上がそれぞれの都道府県の人口に対する部分接種率、下が完全接種率です。大体傾向としては同じかと思います。6月初めに高齢者人口当たりの接種率を調べましたが、基本的には同じように感じます。赤棒は、緊急事態宣言またはマンボウの対象都道府県です。いずれも下位に位置しています。接種の内訳が主に高齢者であることを考えると、大都市地域は高齢者数が多くかつ高齢者割合は相対的に低いため、全人口に対する接種率は低くなりがちという点は考慮すべきですが、それでも緊急事態宣言やマンボウの対象地域が全国平均より下であっていいのかという疑問を覚えることは禁じえません。医療のひっ迫は接種にも影響を与えているのかもしれませんが、感染拡大地域こそ、他の地域に優先してワクチン接種を急がなければならないのではないでしょうか?次は視点を変えて世界の中では、日本のワクチンはどのような位置になったのでしょうか?今度は札幌医科大学の特設サイトからデータを引用させてもらいます。https://web.sapmed.ac.jp/canmol/coronavirus/まずは、累積の接種%です。ここでは部分接種と完全接種を合計した数値で比較されています。急ピッチでワクチン接種を進めているのは日本だけではなく他の国々も進めていますので、なかなか差が縮まりません。現時点で、最も進んでいるカナダ、イギリス、バーレーン、チリなどの1/3程度、ドイツ、フランス、イタリアの半分程度といったところでしょうか?しかし、ここ最近の1週間の増加でみると日本はなかなか頑張っています。おおざっぱに言えば、ドイツ、イタリア、フランスあたりと肩を並べるところまできたといところでしょうか?完全接種率については、部分接種率にくらべて日本はもう少し世界と差があるようですが、こうしてみると、世界との差はなかなか縮まりませんが、その速度はトップの国に比肩するレベルまで追いついてきたと言えるかもしれません。
今日はワクチン接種について様々な角度からデータをご紹介しました。せっかく職域接種が進展しつつあったのに供給の問題で、足止めされることになり残念です。今やワクチンのみがコロナ収束の現実的な達成手段であり、せっかく世界水準にあがった接種スピードを持続し、国内の感染拡大地域の接種率の遅れを是正するような政府の対応を期待したいものです。

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