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かんとこうブログ

2022.06.09

設備は世界一、医師の数は少ない・・日本の医療実態

 昨日、コロナ禍第6波をレビューしました。そのついでに日本の医療実態についてもレビューしておきたいと思います。データソースはOECDです。OECDのホームページには実にさまざまなデータが掲載されています。その中から医療費、薬剤費、医師数、看護師数、医学部卒業生数、看護学部、看護学校卒業生数、病院のベッド数、CTスキャナー数、MRI数、マンモグラフィー数のデータをご紹介します。そこから見えてくる日本の医療の実態はどんなものでしょうか?

データソースは以下のURLです。

https://www.oecd.org/tokyo/statistics/

最初はひとりあたりの医療費、薬剤費の支出額からです。参考までに下にひとりあたりの国民純所得を載せてあります。日本は原則として赤色で示しており、そのポジションは、「下からの順番/データがある国の数」で示しています。この割り算の答えが、OECD内の相対的な位置を示しています。医療費と薬剤費に関しては上から1/3、下から2/3の位置にあり、国民純所得の位置よりも上位にあります。つまり収入の割には医療費、薬剤費が多いとも言えます。

次は、医者と看護師、いわゆる医療スタッフ数についての統計数値です。

上のふたつが人口1000人あたりの医師、看護師の数、下のふたつがそれぞれの養成学校の年間卒業生数です。ここから明らかなように、医師の数は下から1/4くらいの位置にあり、医学部卒業生数はこの中では最下位です。医者は少ないし、今後はもっと外国とは差が開くということです。

一方看護師は逆に多い方だとわかります。現在でも上から18%のところにおり、今後も新たに要請される看護師の数も多く、こうしたポジションをキープできそうだと思われます。

最後に医療設備についてのデータを示します。

すでにご存知かもしれませんが、病院のベッド数、CTスキャナー数、MRI、これらの設備数では日本はこれらの国の中では一番です。OECDは先進国の集まりですから、世界一と言ってもよいでしょう。マンモグラフィーも上から5番目ですのでこれも充実しているということになります。

いかがだったでしょうか?以上をまとめると日本の医療については

医療費、薬剤費はOECDの中ではやや多めで、国民総収入に対する比率も他の国よりも多めである

医師の数は他の国よりも少なく、医学部卒業生はほ最下位レベルである。一方看護師は、他の国よりも多く、看護学校、学部卒業生も多い方である。

病床や検査設備に関しては、ほぼ世界一のレベルにある。

ということになります。この現状でよいのかどうかについてコメントできるだけの知識も能力もありませんが、これらのデータを単純化して考えれば、「日本の医療は、他国に比少なめの医師と多めの看護師で担当しており、設備は世界一レベルに整っている・・比較的多めの医療費は、医師の充実よりも医療設備により重点的に費やされている」ということになるでしょうか? 

医療費は増加の一途をたどっているということですが、これから人口が減少していく中で、どのような医療体制にしていくのか、真摯な議論が待たれるところです。

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