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かんとこうブログ

2022.10.13

内閣府の二つの動向調査結果・・回答者の立場の違い?

感染が収まってくると自動的に景気が回復してくる・・全国旅行支援のニュースが連日報道されるとそのような気分になりますが、実際のところどうなのでしょうか?今日は内閣府が実施している二つの動向調査、消費動向調査と景気ウオッチャー調査の両者の9月の調査結果をご紹介します。この二つの調査ですが、質問内容は似通っており、DIの計算方法も同じと言ってよいのですが、その調査結果は同じとは限りません。

消費動向調査は無作為に抽出された全国8000世帯を調査対象としているのに対し、景気ウオッチャーは全国2050人のさまざまな仕事に従事する人を対象にしています。回答者に関して差異を見ると、消費動向調査は主に買う立場の見方、景気ウオッチャーは主に売る立場の見方といえるかもしれません。

まずは消費動向調査の結果からご覧ください。

9月の結果は、全体の消費者態度指数をはじめその要素たる5つの指数もすべて前月よりも低くなりました。これは諸物価高騰が最大要因と思われます。

次に景気ウオッチャーの調査結果を示します。

ここでは全体としては上向きです。特に飲食関連を筆頭に家計動向関連がすべて上向きなのに対し、企業関連動向と雇用関連が下向きになりました。実はさきほどの消費動向調査にも雇用環境という設問があるのですが、ここはマイナスです。雇用についてみれば、消費動向調査は雇用される側、景気ウオッチャー調査は雇用する側の見方が強いと思われますが、両者とも9月は前月よりも低くなりました。

この二つの表を見て思うことは、冒頭述べたように回答者の立場の違いで調査結果は異なるということです。両者の調査結果の推移について2008年以降で比較してみました。

上が消費動向調査における消費者態度指数、下が景気ウオッチャー調査です。景気ウオッチャー調査のグラフは合計を表す太い線を見てください。全体的にみれば推移の仕方は極めて似ていると言えますが、大きく異なる点が二つあります。一つはDI値のレベルです。二つのグラフに横線を壱本ずつ引いています。景気ウオッチャー調査の方はDI値=50の線です。一方の消費動向調査の方は、グラフの山谷の形から判断して景気ウオッチャー調査のDI=50に相当する高さに引いた線は、DI=42.5あたりに引かれました。消費動向調査のDI=50は、消費者態度指数の推移よりもはるかに上にあり、調査が始まって以来DI=50に達してことはありません。この2本の線の高さの差を見ると、この差はやはり回答者の立場の違いによるところのものと思われます。

両者の差異の二つ目は、コロナ禍(2020年以降)では、消費動向調査の結果と景気ウオッチャー調査の結果がそれ以前よりもさらに開いているということです。言い換えれば、過去のリーマンショックや東日本大震災と比較しても、消費動向調査の方がコロナ禍における谷の深さが深いということになります。景気ウオッチャー調査ではコロナ禍においても2019年前半のレベルを上回った月がいくつもありますが、消費動向調査では2019年前半のレベルと超えた月はありません。このことは消費者の方が今回のコロナ禍においてより深刻に不安を感じていることの現れのように思います。

せっかく同じ内閣府でこの二つの調査を実施しているのですから、両者を比較し総合的な見解を示してもらえればと思います。

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