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かんとこうブログ

2023.04.13

現在の日本の色カテゴリーは? 付録:緑の四文字熟語

昨日書いた緑と青の話の続きから始めます。色を表す言葉は、多くの言語において明/暗を表す2色名から始まり,赤が加わったあと青(or緑)が現れ,黄が赤から分離し,青と緑が分離する(分離の順序は諸説あり)など,おおむね一定のルールに従って増える」とご紹介しました。

そして日本では12世紀頃に青と緑はそれぞれ独立の色カテゴリーとして言語上で区別されるようになったが、意識の中でこの両者は「あおカテゴリー」として引き継がれて現在に至っているとも書きました。

今日はそこから現在の色カテゴリーはどうなっているのかを書きたいと思います。この情報源は、昨日冒頭に登場した東北大学の栗木先生です。

この図は実験に使用されたカラーサンプル(有彩色320、無彩色10:上図)と今回の実験(2017年)から抽出されて色カテゴリー図(下図)です。被験者にカラーサンプルを見せ、単一の色名(赤とか青とか一つの色の名前)で答えてもらうという実験です。

その結果は、「日本語話者に共通する19の色カテゴリーの存在を確認した。内訳としては、多くの近代的文化圏で用いられる11の基本色カテゴリー(赤、緑、青、黄、紫、ピンク、茶、オレンジ、白、灰、黒)に、8つの色カテゴリー(()、肌()、抹茶、黄土、えんじ、山吹、クリーム)が加わったものとなった。」と報告されています。

     

この色カテゴリーは30年前の前回調査から変化しており、例えば前回の調査では明確に区別されていなかった水色が、98%の確率で青や緑から区別されていたそうです。また前回の研究では黄緑の代表色名として「草色」が用いられていたのに対し、今回は「抹茶色」が最多回答であったことも書かれていました。色カテゴリーは時代によって増加しながら同時に変化するということのようです。

最後に緑という漢字を含む四文字熟語をご紹介して今日の記事とします。引用した四文字熟語辞典には全部で13の四文字熟語は掲載されていましたが、重複を除くと8個になります。この8個中なんと5個が紅という漢字との組み合わせになっています。紅との組み合わせの場合には基本的に花の赤と葉の緑の対比を表していますが、粉紅駭緑の場合だけは、赤い花と青い花という意味の紅と緑だそうです。

   

   

一方、右側の例では少し表すものが違ってきており、一番上の緑葉成陰こそ緑の葉ですが、二番目は山の名前、三番目は外国人の目の色を表しているそうです。日本では外国人のことを紅毛碧眼と称していますが、中国では紫の髭に緑の目と書いています。ただし、この緑は青の意味だそうです。

   

明日は、青信号の謎についてチャットGTPに質問した結果をご紹介します。

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