かんとこうブログ
2023.07.06
再びコロナの現状について・・これはもう第9波
先週もコロナの現状についてご紹介しました。厚労省のコロナサイトではあれから2週間分のデータが開示され、札幌医科大学では、定点観測値から実際の新規感染者数を推定する方法を確立したようです。そこで今日はもう一度コロナの現状についてご紹介したいと思います。
上の表は、5月22日以降の各都道府県ごとの定点観測値の推移を示しています。黄色く色づけしたのは全国平均を上回っている定点観測値、オレンジに色付けしたのは、10を超えている定点観測値を示しています。これで見る限り、東日本と沖縄をはじめとする九州地方の定点観測値が高いようです。代表的な都県の推移を下図に示します。
これも先週と同様、とにかく沖縄の定点観測値が突出して高いことがわかると思います。それ以外ではやはり東京圏、名古屋圏の数値が高くなってきています。
この定点観測値は、過去のデータから第8波時にはどの程度だったかが図示されていますので、これを頼りに現在の状況のポジションがわかります。下図は厚労省の資料に沖縄、東京、の水準を書き込んだものです。
驚くことに、現在の沖縄の定点観測値は、過去の第8波のピークにおける定点観測値を超えています。その他の都道府県では鹿児島が第8波の感染拡大期なみ、東京が感染初期なみと思われる水準です。今後の動向が心配されます。
一方札幌医科大学のサイトでは、定点観測値から推定した人口100万人あたりの新規感染者数(最近1週間)が示されています。定点観測値の最新値(6/22-28)のグラフと並べてご覧ください。右が厚労省の定点観測値、左が札幌医科大学の推定新規感染者数(1週間)です。
定点観測値と推定感染者との関係が都道府県ごとに異なっているようで全く相似形のグラフではありませんが、沖縄が突出し、全国的にも感染者が出ているという状況は同様に見て取れると思います。
それではこの左側の現在の新規感染者の図と第7波の感染者の推移を比べてみました。現在の定点観測値から推定した新規感染者の分布に最も似ていたのは2022年7月10日でした。そしてこの時のピークは8月21日でした。この二つのグラフを並べて示します。
こうした予測は外れてほしいと思いますが、現在までの定点観測値およびそこから推測される新規感染者の推移は昨年の第7波の拡大していく様子によく似ており、第7波と同じような拡大状況を辿るのであれば、8月初めにはピークにいたる可能性があると推測されます。昨年の8月21日の全国新規感染者数は21万人を超えていました。
最後にもう一つ重要な情報をご覧にいれます。それは年代別の定点観測値の内訳で、最も多いが、10歳未満の幼児・小児であるということです。さらに高齢者の感染者が少ないということです。ここから想像できることは、感染の場が幼稚園、保育園、小学校や職場などである可能性が高いということではないででょうか?
昨日、日本医師会が上記の厚労省のデータを見て、「もはや第9波である」とコメントしていました。同感です。