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かんとこうブログ

2023.09.13

コロナの今は?

コロナの新規感染者が再び増えています。全数報告がされなくなって、定点あたり報告数に変わりましたので、5月以前と単純の比較はできなくなりましたが、厚労省の最新の報告(9月8日:下記URL)における定点あたり報告数の全国平均の推移は、下図のようになっています。

https://www.mhlw.go.jp/content/001144212.pdf 

   

上図で、左側が5類移行前、右側が5類移行後です。最新数値(8月28日~9月3日)で定点あたり報告数は20.5であり、今年の1月くらいの水準になっています。つまり新規感染者が、第8波のピーク値に近い数値になってきているという状況です。

定点あたり報告数から新規感染者数を推測する研究成果を発表した札幌医科大学のサイトでは、昨年10月から今年の9月までの各都道府県の推定新規感染者数を発表していますが、これを下図に示します。

数値は人口100万人あたりの最近7日間の新規感染者数です。一時期の沖縄県は第8波に匹敵する新規感染者数と推計されていましたが、現在は沈静化しています。一方で、全国、北海道、大阪府、愛知県では現在増加中であり推計新規感染者数が第8波の水準に到達しようとしています。

であるにもかかわらず、昨今のニュースではさほど話題になっていないのはとういうことなのでしょうか?

下図は厚労省の報告書(既出)の週当たり新規感入院者数の推移です。

一見すると8月中旬をピークに新規入院者数が減少しているように見えますが、それは少し早計です。一番上の新規感染者数の図でも8月初めに感染者数が一度減少し、その後増えています。感染と入院は少しタイムラグがあることが想定されますので、今後入院数が増加に転じる可能性も否定できないからです。ただし、最近のレベルで見ても入院者数は第8波のピークと比べるとまだ距離があります。

入院者の中でも重篤なICR入院者、ECMOまたは人工呼吸器管理中の患者数はピークまたはピークを越えたかどうかというような状況です。(厚労省資料(既出)より)

ただし、入院者数も重篤患者数にしてもまだ第8波に比べれば少ないようですので、医療の逼迫という状況には至っていないものと推測しています。

最後に年代別の感染傾向について示します。(厚労省報告資料(既出)より)

年代別では左図から明らかなように、10歳未満が最も多く、ついで10代(10~14歳と15~19歳の合計)となっています。逆に60歳以上の高齢者は他の年代に比べて少なくなっておりこれまでの傾向とは明らかに異なっています。10歳未満と10代前半が多いことを考えると、保育園、幼稚園、小学校が感染拡大の場になっている可能性を考えてしまいます。これまで感染しても比較的軽症で終るケースが多かった若年層は、感染をさけようという意識が高齢者よりも低いのかもしれません。

右図は年代別報告数の推移を示していますが、ここでも10歳未満、10~14歳といった低年齢層の報告数増加が顕著です。ここから低年齢層の感染拡大が今後とも懸念されます。

現在のコロナ感染症の状況ですが、新規入院者数は減少の傾向はあるものの、年代別における低年齢層の感染者は間違いなく増加傾向であり、低年齢層の感染が増加すれば家庭からさらに感染が拡大する可能性も否定できず、当面は各人が以前のように感染防止を心がけるべきではないでしょうか?コロナはまだ終わっていません。

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