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かんとこうブログ

2023.09.12

福島原発ALPS処理水について調べてみました その2

昨日の続きです。ALPS処理で唯一基準値以下に処理できないトリチウムについて農水省のサイトから引用で説明します。

トリチウムは三重水素とも言われるもので、酸素と結合した水の形で存在しています。化学的な性質は普通の水と同じですので、水と分離することが難しいのです。水と同じ化学的性質なので体内に蓄積されることはありません。一方放射性については、きわめて弱く紙一枚でも遮断できるほどです。そしてALPSの処理水はトリチウムを1500ベクレル/リットルまで、希釈してから放出されることになっています。この濃度はWHOが定めている飲料水中のトリチウムの基準値の7分の1になります。下表に世界の飲料水のトリチウムの基準値を示します。

ここで少し注意が必要なことは、この基準値は定められた観点が異なっているということです。WHOの場合には「放射線防護のための措置が必要かどうかを判断する値」ということですから、絶対に超えてはいけない基準値と言う意味合いになろうかと思います。ただ放出水は放出された後、直ちに膨大な量の海水で希釈されますので、さらに希薄な濃度になります。

一方、放出水が1年間に放出される量を考慮した場合のトリチウムの量はどうなるかというと年間総放出量は22兆ベクレル以下になる予定であるとのことです。一方で中国の原発からのトリチウムの放出量は、1カ所の原発だけでその数倍程度になるという情報もありました。(読売新聞のサイトより引用)

中国の原発のデータなど提示して多少大人げない気もしますが、一連の中国のリアクションについては目に余るものがありましたので、引用させていただきました。

これまでALPS処理の内容とその基準値についてご紹介しましたが、最後にこうした基準値が定められた基本的な考え方について紹介したいと思います。基本的な考え方は下の通りです。(資源エネルギー庁のサイト(下記)より引用)

https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/osensuitaisaku04.html 

これらから基準となる考え方は、放射性物質に関する規制の基準は、「人為的放射性物質による追加的公衆の被ばく量を、年間の自然放射線源による被ばく量である1ミリシーベルト以下にする」ことであることがわかります。

今回の放出にあたってもこの考え方に従い、下図に示したような基準で濃度の上限が定められています。

https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/osensuitaisaku04.html 

   

希釈する前の水について毎日約2リットルずつ、生まれてから70歳になるまで飲み続ける」というような、非常に極端なケースを仮定したとしても、平均線量率を「1年間で1ミリシーベルト」に抑えられるようにしましょう」というのが、日本における水中の規制基準だと説明されています。また放出水は出口で濃度が確認されていますので、この基準は担保されます。

つまり、この基準が守られる限り、海水中に放出される処理水による影響は自然界でうける自然被ばくを超えることはないため、影響はないと考えられるということのようです。

放出水そのものについては、存在が疑われる62の核種はすべて基準値以下に除去されており、唯一残るトリチウムも環境に影響を及ぼす程度ではないということになります。だからこそ、IAEAは処理水放出に対してゴーサインを出したと言えます。

ただ、ここまでご紹介してきたように、処理水の安全性を科学的に順序だてて説明するのはそう簡単ではなく、公的な資料もいずれも簡潔すぎるか、難解すぎるかのどちらかであるようにも感じました。風評被害を防ぐためにも、政府関係部門は国の内外にもっと丁寧な説明を行っていくことが必要だと思います。

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