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かんとこうブログ

2024.01.12

ゴジラ-1.0を見て・・ゴジラの体重を考える

先日遅まきながら「ゴジラ-1.0」を見ました。映画としてはよくできており、とても面白かったのですが、途中何カ所か「?」という箇所がでてきて、気になりました。例えば、ゴジラの身長と体重ですが身長は50Mで体重は20,000トンという設定になっていますが、この体重は聞いた瞬間に直感的に過大であると感じました。

そう感じたのは、地球上に現存する、あるいは過去に存在した生物の体長や体重(下表)から見て、いかにも過大に感じるからです。

シロナガスクジラは現存する地球上の最大生物ですが、体重は最大でも200トンに過ぎません。恐竜は過去に存在した巨大生物ですが、これも最大でも体長は50Mで体重は100トン以下とされています。設定の20,000トンが過大と感じるのは、ゴジラも本来生身の生物であり、クジラや恐竜の体長/体重比の範疇に含まれるのではないかと想像するからです。

こうした感覚はかなりの人が感じるらしく、ネット上にはゴジラの体重に関する情報がかなり載っています。その中から代表的な二つの情報をご紹介したいと思います。

①は、ゴジラの体形に比較的にているヒグマの体長と体重の関係から、ゴジラのサイズはヒグマのサイズの20倍として計算したもので、恐竜が進化の過程で巨大化とともに軽量化した事実を踏まえて、計算結果を修正し、約3000トンと推定しています。

一方②は、ゴジラの人形を水に沈めて身長と体積の比率を計算し、身長の倍率からゴジラの体積を求め、比重を1.0として体重を12,500トンと推定しています。いずれにしても20,000トンとよりはかなり軽い数値になっています。

実は私も②の方法を思いついたのですが、手元にゴジラのフィギュアがなく、簡便法として、ゴジラの印刷画像から、体の各部位を円筒と仮定して体積を計算してみました。使用した画像と引用元は下記です。(引用元は現在リンク切れになっているようです)

結果は、表の右端最下段の数値11,240立方メートルとなり、上記②に近い数値になりました。

これはあくまで生体の比重が1.0であると仮定しての話であり、もしも体内に重金属を多量に保持している場合にはもっと重くなります。しかし、一方で映画の中でゴジラが海を泳いでいたことも事実です。普段深海に生息しているとすれば生体比重が1.0よりも重くても矛盾はありませんが、泳ぐとなると話は別です。映画の「わだつみ作戦」の場面では、泳いでいるシーンがある一方で、深さ1500メートルの相模湾に沈むシーンもあり、となると体比重が1.0付近でなければなりません。海水の比重は、真水よりやや大きく約1.03ですが、いずれにしても1.0付近であることは間違いありません。となるとやはり②の12,500トンという数値が科学的に最も合理的である可能性が高いということになります。(フィギュアを水に沈めて体積を測った点で、私の推測よりも精度が髙いと認めます。)ただし、生物学的に正しいかどうかは別問題で、はたしてこのような巨大な生物が存在しうるかは議論のあるところです。

なぜこれほどまでに体重に拘るかというと、この映画のクライマックスとなる「わだつみ作戦」における様々な事象のリアリティに大きく関わるからです。それについては日を改めて書きたいと思います。

本稿を書くために調べた中で、ゴジラのサイズの変遷がありました。体重議論には直接関係ありませんが、参考までに載せておきます。ゴジラは平成以降巨大化が進みましたが。解説によると建築物の高層化進んだために、巨大化しないと都市部に出現した際の迫力に欠けるとのことでした。ゴジラも大変です。

因みに今回の「ゴジラ-1.0」は時代設定が戦中から終戦直後であったため、初代と同じ50Mに設定されました。

ゴジラの大きさを建物と比較【歴代最少〜最大まで「全18体」紹介】 (senntineru.com)

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