かんとこうブログ
2024.01.22
塗料用原材料の価格動向・・経産省確報で判る原料価格
先週金曜日に経産省確報による品目別単価動向をご紹介しましたが、この確報は日本の全工業製品の出荷数量と金額が掲載されていますので、塗料原料の出荷数量と出荷金額が掲載されており塗料原料の価格も計算することができます。このところ、価格そのものではなく、出荷数量と出荷金額を主にご紹介していましたが、今回は久しぶりに価格そのものを中心にご紹介します。
確報で知ることができる原料は23種類ほどあります。中には塗料用途に限っていないものもたくさんありますが、用途別の統計は限定的なので、そのあたりはご容赦ください。それでは、2021年1月からの出荷数量と金額から計算した価格の推移をご覧ください。図中の金額は2023年11月度の単価(円/Kg)です。
図が小さくて申し訳ありませんが、こうやって一覧できる方が全体の傾向が掴みやすいのでは思い、あえて小さな図にしてみました。まだ全体として右上がり傾向であると言えると思います。中には横ばいから少し下降気味のものもありますが、明らかな減少とはなっていないと思います。
2021年1月を100として単価指数は下図のようになります。トルエン、キシレンは200を超えています。これら23品目の平均値は149.8となります。先週金曜にご紹介した塗料の単価指数(2021年1月=100)の平均は120近辺であり、シンナーでも138に過ぎません。お客さまからはお叱りを受けるかもしれませんが、こうしてみるとまだまだ塗料原料高騰に伴う塗料製造業の価格転嫁はまだ不十分であるようにも思えます。