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かんとこうブログ

2024.02.26

政府の連結貸借対照表を眺めて思うこと

先日IMFの資料各国政府の資産と負債の対比表をご紹介した際に、「政府が連結貸借対照表を公開していないので」と書いたところ、ちゃんと公開しているとご指摘をいただき、お詫びして訂正させていただきました。教えていただいた財務省のサイトに掲載されている令和3年度連結貸借対照表(これが最新で、まもなく令和4年度分がでるそうです)を眺めていると気になることがあったので調べてみました。今日はその調べたことをご紹介します。

まず財務省が公表している貸借対照表ですが、以下のようになっています。(細目は省略してあります)

主な資産は、現金・預金、有価証券、貸付金、有形固定資産等です。一方主な負債は、公債、公的年金預かり金、政府短期証券、独立行政法人等債権などで、合計金額はそれぞれ約943兆円です。この表を見て日本銀行が連結されていないことはすぐにわかります。なぜなならば日銀が連結されれば大幅に減額されるはずの公債が1000兆円を超える金額のままであるからです。

日銀を連結しない理由については、「国の監督権限が限定されていること、政府出資額は僅少であり、補助金等も一切支出していない」ためとされているようです。確かに日銀の資本金はわずか1億円であり、政府の出資金額としては僅少ですが、政府出資額は全体の55%にあたりますので、民間で言えばりっぱな子会社にあたります。連結対象の組織としては、各省庁はじめ外郭団体、独立行政法人、国立大学法人などの組織となっています。

次に気になったのは令和2年度から令和3年度にかけて資産のうちの現金・預金と有価証券が大きく減額していることでしたが、これは負債の郵便貯金が同様に減額していることから、ゆうちょ銀行が連結対象から外れたためとわかりました。資産規模が小さくなりますので、余計に公債が大きく見えてしまいます。

一方日銀の貸借対照表は令和4年度まで公表されていますが、政府連結貸借対照表が令和3年度までなのでそれに合わせて令和3年度の貸借対照表を示します。

第137回事業年度財務諸表等 (boj.or.jp)

日銀の主な資産は国債と貸出金で、主な負債は、発行銀行券と預金となっています。

さて、政府の連結貸借対照表と日銀の貸借対照表が揃いましたので、これを連結してみたいと思います。ちゃんと連結するには、各費目の中身がわからないとできませんので、とりあえず国債だけを相殺してみることにしました。結果は以下のようになります。

日銀の保有している国債の金額を政府の公債から差し引いただけの操作ですが、日銀を連結しない場合と比べて公債の金額はほぼ半減しました、と言っても資産と負債の差額はほとんど同じになります。依然GDPと同額の公債と債務超過が残っていることになります。

しかし、いろいろとネット資料を読んでみると、考え方がさまざまにあるということもわかりました。例えば下記URLのサイトでは目から鱗が落ちるようなことが書いてありました。

政府と中央銀行を連結した統合政府という考え方が主要諸外国で多い(*1/*2)という指摘や、日銀の負債にある発行銀行券や預金のほとんどをしめる当座預金は、財政危機を測るにあたっては負債からはずしてもかまわない(*2)という考えか方も紹介さてれていました。もし、日銀を連結対象として、銀行発行券や当座預金を負債から外せば、日銀を連結した政府の連結貸借対照表の資産と負債の差額はプラスに転じるというのです。

*1:政府の連結バランスシートを読んでみよう~その2(全3回)|田中晋 (note.com)

*2:検証 令和の増税って必要?|田中晋 (note.com)

私は経済の専門家ではありませんので、こうした意見が正しいかどうか判断できませんので、IMFのPublic Sector Balance sheetについてもう少し調べ直してみることにしました。その結果を二日間にわたりご紹介したいと思います。

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