かんとこうブログ
2026.10.09
野辺山からアルマへ・・電波望遠鏡の話
先日、当組合ホームぺージのホームに野辺山の宇宙電波観測所の写真を載せ、近日中に記事を書きますとコメントを残しておきました。今日はその野辺山で見た直径10Mのパラボラアンテナを使って直径600Mの望遠鏡と同じような観測ができるという技術が、日本を飛び出し他国と共同で世界一のアルマ望遠鏡となって活躍している話を書きたいと思います。
最初に先日撮った野辺山にある直径10Mの「ミリ波干渉計」(この言葉は後で詳述します)の写真を示します。これらは「ミリ波干渉計」はすでにその役目を終え、これまでに培われた技術.知見はチリのアルマ望遠鏡に引き継がれています。

話は横道にそれますが野辺山にはまだ現役で観測を継続している機器が2種類あります。直径45M、世界最大級の「電波望遠鏡」と「太陽電波強度偏波計」です。それぞれの説明を国立天文台 野辺山宇宙電波観測所のサイトから引用してご紹介します。
https://www2.nro.nao.ac.jp/public/teles.html


さて、そもそも電波望遠鏡とは何か、普通の望遠鏡と何が違うのか?そして「ミリ波干渉計」を使って巨大径の望遠鏡を作るというのはどういうことなのか?・・・これから順番にアルマ望遠鏡のサイトから引用して説明していきます。
アルマ望遠鏡サイトの「アルマ望遠鏡とは」(下記URL)から「電波望遠鏡」、「ミリ波干渉計」を説明します。
https://alma-telescope.jp/about/

①光学望遠鏡は、高温の星から発する可視光を観測しています。可視光は私たちも見ることができる、波長が400~780nmの光です。②しかし星の材料となる塵やガスなどは温度が低いため光学望遠鏡では見ることができず、ミリ波やサブミリ波と呼ばれるより波長の長い電波を観測できる電波望遠鏡で観測します。③一般に望遠鏡はその口径が大きくなるほど解像力があがり微弱なものでも捉えることができるようになります。④しかしそれには限界があり、そこで考え出されたのが、小さな望遠鏡をたくさんならべそれを連動させ巨大な望遠鏡とする干渉計です。⑤アルマ望遠鏡では、合計66台の望遠鏡を連動させて一つの巨大望遠鏡を作り出しています。⑥この66台を最大16km(東京の山の手線の直径に相当)離れた位置に設置できます。解像度は人間の目に例えると視力1200、大阪に落ちている1円玉が東京から見える能力に相当し、これまでの光学望遠鏡の10倍、電波望遠鏡の数十から100倍の高性能になります。

世界最高の電波望遠鏡を設置する場所として選ばれたのが、チリのアタカマでした。観測の障害となり空気や水蒸気が少ない場所であり、かつ広い平地が必要でしたが、世界中の候補から選ばれたのがアタカマでした。海抜5000メートルで年間降水量が100mm以下世界で最も乾燥した場所の一つと言われています。
この巨大プロジェクトは、日米欧をはじめとした国際協力で実現しました。熾烈な競争の一方で、強力が不可欠だったからです。1980年代から1990年代にかけて、各国で巨大望遠鏡が計画されましたが、話し合いの中から各国で協力して理想の望遠鏡を作ろうということになり、アルマ望遠鏡計画が生まれました。
日本はこのアルマ望遠鏡において大きな貢献をしています。アルマ望遠鏡を構成する66台の干渉計(望遠鏡)のうち約1/4にあたる16台が日本製です。付随する受信機やスーパーコンピューターも日本製です。これらはアタカマコンパクトアレーと呼ばれる広視野観測用に使用されています。
以上がアルマ望遠鏡の概要です。野辺山で培われた技術や経験が、世界の共同プロジェクトであるアルマ望遠鏡に引き継がれていることがお分かりただけたかと思います。しかし、まだミリ波干渉計についての説明ができていませんので、来週のブログでご説明したいと思います。