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かんとこうブログ

2026.10.21

原油の輸入について・・これまでのまとめ

例月ですと今頃は石化工業協会から、主要石化製品の前月の生産数量が発表されているのですが、今月は29日と遅いため、石化製品の代わりに原油の輸入動向についてご紹介したいと思います。出典は、経産省の石油統計確報と財務省の貿易統計確報です。

最初に石油統計から原油の動きがわかる部分の統計数字をご覧ください。

数字が細かいので見にくいかと思いますが、原油の主な動きは色付けした部分でわかります。すなわち供給はほぼ輸入、そして消費はほぼ精製であり、その精製物も当然輸入原油からのものがほとんどを占めることになります。

下図の右図は、消費数量(黄緑地)と精製数量(薄グレー地)、さらに精製数量のうちの輸入原油由来のもの(薄紫地)推移を表していますが、1本のグラフにしか見えません。しかし拡大するとわずかに差がありながらほぼ重なっているのがわかります。これほどよく一致しています。これが日本の原油動向のよく表しています。

下図左の上は輸入原油量(水色地)と消費量(黄緑地)の推移ですが、こちらはさすがに少し重ならないところがありますが、輸入については、4月における大きな落ち込みから回復したように見えますが、実は中身が少し異なっています。また消費の方は4月の落ち込みにおいても変化なく精製が行われているように見えますが、これは備蓄原油の放出により不足分がカバーされたためです。

下図左の下は、原油の在庫量の推移を示していますが、これはほぼ一定となっています。在庫というと何か特別な倉庫やタンクで取っておくイメージですが、これらの量はおそらく油槽所と精製所の設備、配管の中に存在しているものの合計ではないかと推定しています。いずれにせよ、こうした原油の「在庫」は、常に一定量存在し、増減はありません。

さて話を今年の4月5月前後の輸入原油に戻します。石油統計では、毎月の国別輸入数量を発表しています。輸入全体と中東全体からの輸入の輸入数量のグラフを比較すると5月以降に差があることがわかります。(下図上段)

輸入全体では見事なv字回復ですが、中東からの原油、サウジアラビアやアラブ首長国連邦からの原油は、まだ回復のさなかにあります。そして目を転じるとアメリカの原油が急増していることがわかります。つまり一見回復しているように見える輸入原油ですが、中東からの分はまだ完全回復ではなく、不足分はアメリカからの輸入で補っているということになります。

このほかの輸入元を見ても状況は似ており、中東からはまだ復活できておらず、この中では中南米からの輸入が増えています。(上のグラフとは縦軸の取り方が違っており、この5枚のグラフはいずれも百万kl/月以下の数量です)中東からはまだ元に戻っていないということです。

最後に財務省の貿易統計から、アメリカおよび中東からの輸入数量の推移と輸入単価、および1バレルあたりの単価を示します。

財務省の数値からも中東からの原油がまだ十分でなく、不足分をアメリカ原油が補っています。また輸入単価が著しく上昇しており9月時点でも100$/バレル程度の価格になっています。輸入単価(円/L)を国際比較しやすいus$/バレルに換算し、WTIと比較した図も下段に載せました。

今年2月まではアメリカ産、中東産でほぼ差がありませんでしたが、3月以降は一貫してアメリカ産の方が高くなっています。これは輸送経路が長くなることもありある程度やむをえないことではありますが、我々塗料製造業にとってはコストアップ要因になっていることには違いありません。

最後に付け加えますが、これは原油の話です。原油の輸入数量はほぼ元に戻っていますが、輸入ナフサは違います。まだ元にはもどらず、少ないまま(政府の予定では年内2024年実績の85%程度)推移しています。

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