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かんとこうブログ

2022.10.20

鏑木清方の画材

鎌倉の雪の下に鏑木清方記念美術館があります。鏑木清方は日本画の巨匠であり、美人画の数々はあまりにも有名です。この美術館は、晩年を過ごし没した土地に建てられた小さな美術館で、鏑木清方の絵画をはじめとした展示や再現された創作部屋を見ることができます。残念ながら絵画については、写真撮影禁止なのでここでご紹介することができませんが、創作に使用されていた画材については、その解説とともに写真撮影が許可されていましたので、今日はその内容をご紹介したいと思います。展示されていた画材は20種類ありました。

下の写真がその画材です。参考までに画材の和名を付けておきました、聞いたことがある名前はあるでしょうか?

色とりどりの色材が並べられています。詳しくは添付の説明文(美術館の説明文とWikipediaの引用による説明文)を読んでいただくとどういうものかを理解していただけると思います。ここではごく簡単にこの20種類の中における類似性についてご紹介したいと思います。

岩群青①(アズライト:藍銅鉱)と孔雀石③(マラカイト)

 いずれも銅の二次鉱物であり化学組成(アズライトCu3(CO3)2(OH)2;マラカイトCu2CO3(OH)2)上は非常に似ているが、産出量は孔雀石がはるかに多い。

赤茶②(レッドジャスパー)、濃口鼠⑤(ブラックジャスパー)、岩黄土(イエロージャスパー)、瑪瑙⑦、緑瑪瑙⑫(グリーンジャスパー)、碧玉石⑬

いずれも微細な石英の結晶が集まってできた鉱物(潜晶質石英)であり、主成分は石英だが含まれる不純物によりさまざまな色のものが存在する。ジャスパーや瑪瑙(めのう)は玉髄(ぎょくずい)の一種である。

こうしてみると如何に玉髄の類が多いかわかります。しかもその色を決定しているのは不純物であるとか。

岱赭⑩と岩金茶⑰

実はこの二つは別名で極めて近い名前で呼ばれています。岱赭が茶金石、岩金茶が金茶石と呼ばれています。名前は似ていますが、化学組成は全く異なります。岱赭の茶金石の中身は酸化鉄であり、中国の代州で良品が産出したためこの名がつきました。一方岩金茶の金茶石の中身は、鉄石英、すなわちジャスパーのうち鉄を不純物として含んだものです。このように和名には類似のものが多く存在するので時として混乱します。事実鏑木清方記念美術館の説明書も少し混同しているようでした。

ところで、これらはすべて宝石と言ってよくパワーストーンとしても重用されています。上の写真の画材が、より宝石らしく見える写真をいつものように中畑さんから教えてもらいましたので、引用させていただきご紹介します。

サイトは「天然石が絵の具?岩絵具と鉱物の種類」でURLは下記です。

https://nihongago.com/powerstone 

これらの写真を見るとまさに画材が宝石であることが良く理解できます。

ウルトラマリン(ラピスラズリ)の例を引くまでもなく、昔の人たちにとって、鏑木清方にとっても、色彩豊かな絵を描くということは、とてつもなくお金のかかることだったのです。

美術館に展示してあった鏑木清方の絵の写真は残念ながらご紹介できませんので、売店で購入した「挿絵集」から2枚ほど美人画をご紹介して終わりとしたいと思います。

本ブログを書くにあたり、元関西ペイントの中畑顕雅氏にアドバイスと資料の提供をいただきました。深く感謝申し上げます。

画材の説明書

鏑木清方記念美術館の説明書  files/files20221019181411.pdf

美術館の説明書をもとにWikipediaから引用した説明書 files/files20221019181433.pdf

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