かんとこうブログ
2022.11.07
IEA 世界エネルギー見通し2022 エグゼクティブサマリー その1
IEA、国際エネルギー機関から、「世界エネルギー見通し」2022を発表したと連絡がありました。現在、各国政府から出されているCO2削減のための計画、誓約、宣言などを整理し、それらが実行された場合にどの程度CO2を削減でき、そしてその結果どの程度温度の抑制ができるのかということについてまとめられています。
今日と明日はその概要報告書の内容をご紹介します。
①現状の整理、特に2022年におきたウクライナ侵攻による影響について・・ウクライナ侵攻がエネルギー危機をもたらしているとしている。エネルギー価格が高騰し、その影響は貧しい人たちに重い負担を強いていると述べている。
②IEAでは、各国政府から出されているCO2削減に関する計画を3種類に分類し、その内容を精査し、いつまでのどの程度達成できるのかを予測しています。3種類の計画とは①STEPS:明言された政策シナリオ(最も具体的に実施が明言されているもの)②発表された誓約シナリオ(方針を明確に述べたもの、STEPSの次に具体的)③ネットゼロシナリオ(2050年に実質排出量ゼロを宣言したもの、具体的な内容は未定なものもある)
③各国政府は、それぞれも計画にしたがいクリーンエネルギー開発を積極的に進めているとし、アメリカ、中国、EU、日本、韓国、インドの事例が紹介されている。
④計画が予定どおり実行されれば、再生可能エネルギーの増加は総発電量の増加スピードを上回り、総発電量にしめる化石燃料の割合が増加することはないとしている。
図のように、2030年には、各国におけるクリーンエネルギー関連の投資が大幅に増加する計画である。
左図:2021年から30年の期間で、石炭火力は減少し、太陽光発電、風力発電が大幅に増加する。原子力は再生可能エネルギーとは認められていないが、CO2削減への寄与は認めている。
右図:すでに先進国は発電におけるCO2排出量を減少に転じており、途上国においても2022年以降は増加しないと見込まれている。
最後に1枚だけグラフをお見せして今日の最後とします。なんと、今後化石燃料は減少していくというグラフです。
2022年以降化石燃料の増加は頭打ちとなり、2030年以降は石炭を中心に減少を始めるというものです。これまで増加する一途のグラフばかり見てきた目には新鮮に映ります。
続きは明日にご紹介します。