かんとこうブログ
2024.11.27
針千本の写真がNewton2025年1月号に掲載されました
11月26日(昨日)発売の科学雑誌”Newton”2025年1月号(下の写真)にかんとこうブログ2020年9月2日「世界一黒いもの 黒の物語」その2(下記接続先)に使用されていた「針千本」の写真が掲載されました。
世界一黒いもの 黒の物語その2 | かんとこうブログ | 関東塗料工業組合
11月26日発売のNewton誌表紙 右下に「感動する化学」の文字が見えますが、この特集記事の中で掲載されています。
ブログに掲載されていた針千本の写真は以下の写真です。見覚えのある方もいらっしゃるかもしれませんが、元関西ペインの中畑顕雅氏提供の文字通り針千本をガラス瓶につめて上から撮影した写真です。(下の写真)
3週間ほど前、”Newton”編集部の方からこの写真を使用したいので許可がほしいと連絡がありました。早速中畑さんに連絡すると「自分としては問題ない。また現役時代に撮影した写真であり、この写真を含む一連の写真について退職後自分が使用することについては許可をもらってはある。しかし、念のため関西ペイントに確認をとってほしい。」ということでした。
関西ペイントに連絡をとって使用許可のお願いをしましたところ、「会社の名前を出さないのであれば使用を認める」とのことで、編集部にその旨を伝えて無事に掲載の運びとなりました。
ということで、2025年1月号の”Newton”誌に上の写真は掲載されていますが、関西ペイントの名前も、中畑さんの名前も、関東塗料工業組合の名前も載っていません。ですが、これほど名誉なことはないのでブログに書かせてもらうことにしました。
で、Newton誌のどこに掲載されたのかというと先ほど説明したように、第2特集「感動する化学」の中の「完全に黒い物質は存在しない」というページ(P.76)です。光を完全に吸収する物質はこの世の存在せず、現時点ではマサチューセッツ工科大学の研究者らが発表したカーボンナノチューブを密林のように並べた素材の吸収率99.995%が最も黒い物質だと紹介し、なぜそうした物質が黒いのかについて、針千本並べて上から見ると黒く見えることの例として、実際に針千本を束ねた上の写真が使用されています。下の写真は針千本の写真が掲載されたページです。黄色い枠で囲った部分に針千本の写真と説明があります。
写真が掲載されている部分の拡大写真です。
写真が鮮明でなく申しわけありませんが、ご容赦ください。編集部からは明瞭なPDF画像をいただいておりますが、著作権の関係上、私が撮影した写真で辛抱願います。
関塗工の名前は載りませんでしたが、ともかく名誉なことだと思っています。中畑さんに改めて感謝の意を表したいと思います。
コメント
この写真を撮るきっかけはね、日本光学の研究者が書いた『光の鉛筆』という本を読んだからなんですよ。そのころ、いろいろな金属の色がどうしてできるのかなんてことに興味を持ちましてね、金属の屈折率は虚数なんだ、なんてことが書かれていたような気がします。今は手元にはありませんがこの本はいろいろ考えるヒントを与えてくれたんですよ。それで金箔を購入して色を観察したりしましたっけ。なんと、ものすごく薄い金箔の透過色は緑なんですよ。 ほかにはね、黒を表す日本語として「烏の濡れ羽色」という言葉があるじゃないですか。カラスを捕まえてそんな写真を撮りたかったんですけどね、実現しませんでした(涙)。
- 2024.11.27 10:24
- 中畑 顕雅